□第3章
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莉唖は限界だった。
死にたいとも思った。

だけど、死んでも何にも変わらない気がしたのも本当だった。


「り〜あ〜!いこ!」
柚葉が手招きをしている。今日は祭り。
浴衣をばっちり着て親友の柚葉とデート!
だけど、素直に楽しめない。

2人でにぎやかな商店街をゆっくりと歩く。
あれも食べたいこれも食べたいと柚葉はいっているけど、莉唖は食欲がなかった。

柚葉とたわいのない話をしていたら、後ろからいきなり肩を叩かれた。
いきなりのことで、莉唖は小さな叫び声をあげた。
むかついて振り向くと、
「よ!久しぶりだなぁ〜。でも、こないだも競技場であったけ?」
いたのは、小学校ころの友達、大智だった。
「びっくりするじゃん!久しぶりでもないでしょ。なぜかよく会うんだから。」
「まぁ、いいじゃん。じゃあな。」
「ばいばい。」

それから、なぜか知っているひとが多くて、声をかける回数が増えた。

「あっ!!##NAME10##!!ウチとはきてくんなかったのに!なんでいるんですかぁーー!」
「一番あいたくねぇやつとあっちった。」
「なにそのいいかた!いいもん!つねってやりますよ!」
「ごめんごめんってば!つねるのはやめようぜ!」
「やだぁ〜〜〜!」
「だめ!先輩命令だぞ!」
「卑怯だよ!」
「はいはい。祭り楽しんできてね。」
ふくれっらしたままその場を立ち去った。
##NAME10##は、高校1年。元駅伝部の先輩。
いまだに仲がいい。

その後も、まだまだ知り合いが多かった。
紗奈とあったり、瑞帆とあったり、いろいろな人としゃべっていると、
「莉唖知り合い多すぎ!!ウチは全然会わないのに、さっきから、ずーと莉唖はあってて、つまんない!」
「ごめん!もう大丈夫!ひととりあったと思う!」
柚葉をこれ以上怒らせる前になにかを買おう。

「柚葉!かき氷食べよー!」
「いいよ。食べよ!」
あまり値段が高くないところ探して柚葉はコーラ、莉唖はレモンをかけて、冷たくて頭がキーンとするのを楽しんでいた。

キラキラと夜の街を照らす祭り。

少しの間だけでいい。
すべてを忘れさせて・・・


つづく。
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