□第2章
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その日、部活が終わると親友の碕川瑞帆と一緒に遊んでいた。
今日の出来事を話さなきゃと思うのにうまく口が動かない。
話せないまま、プリクラを撮ったり、雑貨を見たり、本屋で雑誌を立ち読みしたり、洋服を見たり、いろいろなことをした。
その間も忘れることができないあの笑顔。
好きかわからない。
でも、目が離せない。

休憩するためにファーストフード店に入った。
少したわいのない話をしていた。
ちょうどドリンクが飲み終わるころ莉唖は覚悟決めて話し始めた。

「あのね、恋しちゃったかもしれないの・・」
瑞帆は、目を大きく開いて、
「莉唖、ほんとなの?だれだれ!!」
「名前はわからないんだけど・・。あの。えっと。」
「じらさないでよ。失恋したばかりの莉唖が彼氏ほしい!って叫んでいたから、合コン連れて行こうと思ってたところなの。その莉唖が恋って!めっちゃびっくりなんだけど。」
「はい。ごめんなさい。そうだったね。叫んでたわ。だって、クラスのことも、部活も、いやになっちゃってたんだもん。支えてくれる人がほしかったの。」
「支えてほしいよね。わかる。その気持ち。」
瑞帆には彼氏がいる。ヤンキーだけどやさしいらしい。
瑞帆もいろんなことに悩んでいる。
彼氏のそっけないのがさみしいみたいで、私には何にもできなくて、一緒にいてあげることしかできないんだけど・・。
「はい!話をそらさないでよ!で、誰なのよ?」
「2年生でヤンキーぽい子いるじゃん。色白で、サッカー部にいる子。」
「あぁ、松本翔君ね。あの子はいい子だよ。優しいし、守ってくれる。莉唖の恋が叶うよに瑞帆がサポートします!!」

私の恋した相手は、ヤンキーでそれに年下。
名前は、松本翔。

つづく
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