□第4章
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「高校にいけない・・・」
小さな声でつぶやく。
その声は小さすぎて騒がしい教室の誰にも聞こえてなかった。

実力テストが毎月続く秋。

受験生。

その事実がぐさぐさと突き刺さる。

その、実力テスト。

莉唖は3年間初、30点台をとった。

叫び声がのどの途中まで出てきている。
「んっ。。。。。」
必死にタオルで口をおさえて呼吸を落ち着かせる。
隣の席は5位以内をキープし続けるかわいいキャラの快斗くん。それに前にはこのごろいきなり点数を上げ始めたチャライ泰斗。後ろにはほとんど1位の座を譲ったことのない私の親友の柚葉。

なんで私の周りは頭のいい人しかいないのよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜

席替えは莉唖の知らない間に進んでいて、結局、朝来てみて、自分の席がそこになっていたパターンだ。

なってしまったものに文句のつけようもなく、頭のいいキラキラした連中の中に混じっちゃってるわけ。

瑞帆に助けを求めようと思ったが、もっと悲惨な顔をしてて近づくことができなくない。

莉唖は勉強のことも考えていつつ、部活のことを考えた。

部長で走る最後の大会が近づいている。

寂しさ半分うれしさ半分って感じ。

でも、中学校最後。

悔し涙は流したくない。
今のメンバーで最高の走りをするには

今、私にできることは、なんなんだろう?


いとこの優の文化祭に行って、高校ってすごいなっていうのはもちろんだけど、違うことが頭によぎった。

みんな、自分の個性があって進路があって、前に進んでいる。

「わたしはこのまま、何にも見えずに真っ暗闇を進んでいっていいの?」

疑問は浮かぶばかりで、何にも解決しない。

どうしたらいいの?

大嫌いになっていくその言葉が頭から離れない。
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