薄桜鬼

□夏の味
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平助を巻き込んで打ち合いをしたものの、僕のイライラは一向に治まる気配は訪れてくれない。

自分でも分からないイライラに、呆れ過ぎて嘲笑さえこぼしてしまいそうだ。

全く、一体どうしたというのだ。

「総司、いるか?」

障子の向こうから、気配と共に左之さんの声が聞こえてきた。

「いますよ。何かあったんですか?」

投げ遣りに答えると、すっと障子を開けられて訪問者の姿が現れた。

「酒、飲まねぇか?」

ニカっと笑った左之さんの手には、二人分の熱燗。

いつもならこんな昼間から酒など飲まないのだが、今日はもうどうでもいい気分だ。

たまにはいいか、と左之さんを部屋に招き入れることにした。



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