薄桜鬼

□夏の味
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妙にイライラする。

自室に籠もる気にもなれず、ふらりと道場に足を運んでみた。

普段なら別段気にしない、微かにべたつく肌が今日は嫌になるくらい気になって仕方ない。

「なぁ、総司…お前なんかイラついてる?」

打ち合いをしようと適当に捕まえてきた平助が、恐る恐る聞いてきた。

僕は、平助にまで気付かれる程イライラしていたのか、と大きな溜息をひとつついた。

「平助くん。君さ、そんなに僕と本気で打ち合いしたいんだったら最初からそう言ってくれればいいのに」
満面の笑顔を向けてやると、平助の顔がみるみる青くなっていく。

直後、必死に異論を並べ立てたが、僕は全部無視することにした。

実際、今この道場にいる幹部連中は僕と平助しかいないのだから、仕方ないと言えば仕方ないのだけど。



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