合宿編

□合宿の王子様(4)
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「すまんなぁ。どうしてもって金ちゃんが言うもんで………」

「だってな白石!コシマエおるから行きたかったんや!」


跡部先輩と手塚センパイの前には、見知らぬ男性が軽く頭を下げている。

私達マネージャーは、黙って三人の様子を見ていた。



「ねぇ」


『はっ、はい?』


不意に呼ばれて振り向くと、そこには美人さんが居た。


「恵美ちゃん、だよね?」


『はい』


あまりにも美人さんなので、思わず見とれてしまった。


「真田達から聞いてるよ。立海から来てくれた時は、いなくてごめんね」


申し訳ないと私に謝る彼は、先ほど跡部先輩と居た彼だ。

立海と聞いて、この人が立海の部長さんなのだと初めて知る。


『あ、いえ!気にしないでください』



慌てて言葉を返すと、優しく微笑んだ彼。
その姿が本当に眩しくて、すごく綺麗だった。


「改めて紹介するね。俺は立海大テニス部部長、【幸村 精市】。宜しくね」


『はい、宜しくお願いします』


ペコリと頭を下げると、にっこりと笑ってくれた。





******
「………わかった」


もう全員に伝えているみたいなので、今更訂正することは面倒だと言って、跡部先輩は渋々といった様子で了承した。



「本間か?!」


赤髪の男の子が、目をキラキラさせながら跳び跳ねている。


「すまんなぁ、宜しく頼むな」


「あぁ」


とりあえず、マネージャーに挨拶しろと跡部先輩は彼に言った。




「四天宝寺中の部長、【白石 蔵ノ介】言う者や。合宿ではよろしゅうな」




****




『ご飯の用意しない?』


部屋に戻ると、今夜のご飯の準備の話になった。



「はいはい!私、お米!」

「却下」

「なんで?!」


「なんだか洗剤で洗いそうだから」

「酷い!!」


悩みに悩んだ結果、役割分担ができた。
マネージャーの作る料理は美味しいのか美味しくないのか…
それは、まだ知る由もない。





合宿と役割分担。
(で、何作るの?)
(無難にカレーじゃね?)

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