短編小説

□玩具
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今日は高校の始業式。このSEED高校では毎年クラス替えがあり、勿論今年も例外ではない。
二年生になったニコル・アマルフィはクラス発表の紙を見て呟いた。

「ええと…僕は二組、ですね」

慎重に確認すると、二組の教室へ向かう為足を早める。
到着し中に入ると、話したこともない人も沢山いて、一瞬ニコルを不安にさせる。

「あ、イザーク!アスラン!」

中学からずっと一緒だったイザーク・ジュールとアスラン・ザラを見つけ、ニコルは喜んだ。
去年は違うクラスになってしまったが、今年は一緒のようだ。

「ニコル!なんだ、俺達三人とも同じクラスか。良かったな。なあ、イザーク」

アスランが笑って言う。

「フン…、クラスぐらいどうだって良いだろう」

素直ではないが、イザークも内心はまたこの二人と一緒に居れることを喜んでいた。
ニコルもそれをよくわかっていたため、クスリと笑った。

HRの時間になり席につく。ふと隣を見ると、どうやら初めて見る生徒のようだ。話したことは無くても、大抵の生徒は見たことがあった。
不思議に思い、ニコルは隣の男子に声をかける。

「おはようございます。…あの、もしかして転校生ですか?」

「…何で?」

彼はひどく不機嫌そうに頬杖をつきながら答える。

「あ、すみません…あの、あなたのこと、見たことが無かったものですから」

物静かだが人当たりの良いニコルに大抵の人間は仲良くしてくれたため、彼の意外な態度に少し怯え、思わずニコルは謝ってしまう。

「そう、転校生だけど?」

やはり無愛想で素っ気ない彼の返答。

「そう…ですか。これからよろしくお願いします」

これ以上何か話でもあるのか?とでも言いたげな彼の態度に、ニコルはそう答えるしかなかった。
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