短編小説
□休日の悪夢
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「今日は久々の休暇です。君達も外に出て良いですよ」
ドミニオンの一室、好き勝手に過ごす少年三人に向かって、アズラエルが言う。言い放ち、そしてすぐ彼は部屋から出ていった。
「夜には戻って来て下さいね。お仕置きされたくはないでしょう?」
その言葉を残し、僅かな静寂。
「…休暇?マジ!?」
赤い髪の少年、クロトが真っ先に声を上げる。
「珍しいな、オイ」
金髪の少年、オルガが続ける。
「…ふ〜ん…」
どうでも良さそうに、最後に緑の髪の少年、シャニがソファーに横たわる。
「あれれ?シャニ外に出ないの?」
折角の休暇なのに、とクロトがシャニの顔を覗き込む。
「ん〜…めんどくさ…。…まあ後で行こうかな…」
その言葉を最後にシャニはアイマスクを付け、耳にかけたままのヘッドホンをそのままに眠りに付く。
「…ヘンなの〜。じゃ、行こうぜオルガ」
「ああ、そうだな。つってもお前はどうせゲーム屋に行くから行き先は違うけどな」
「オルガこそ、どうせまた本屋だろ。飽きないよな〜」
そんな会話をしながら、二人が部屋から出ていく。
「…ん」
暫くして、シャニが目を覚ますと、既に昼になっていた。
「そろそろ行こうかな…」
そう呟き、一人部屋から出ようとする。
すると、扉が開き一人の研究員が入って来た。
「ああ、シャニ・アンドラス。お前一人か?」
「…そーだけど、ナニ?休暇じゃなかったの?」
不機嫌そうにシャニが言うと、研究員はばつの悪そうな顔になる。
「ああ、いやそうだったんだが、急にやらなくてはならない実験が入ってな。
まあ一人でも構わないとアズラエル様は仰っていたし、いいだろう」
「え〜…」