短編小説

□昼寝
1ページ/2ページ

「もう放課後だよ?」
私が忘れ物を取りに教室へ行くと、沖田が寝ていた。
「オイ、沖田」
家帰って寝ろよ…。
「ちょっとー」
沖田は、私が肩を揺すっても起きない。
あれ、死んでる?わけないか…。
それにしても、綺麗な顔。黙ってりゃ、相当可愛いんだけどね…。
そんなことを考えながら沖田の顔を眺めていた私は、沖田の寝言で我にかえった。
「うーん………死ね土方ぁ……」
寝ながらでも悪態つくのかよ。
いや、じゃなくて…。
「起きろぉぉお!!」
「zzz…」
「起きないとキスするぞ」
試しに言ってみた言葉は、案の定沖田の耳には入っていなかったようだ。
「………」

チュッ

「…何やってんだ私。いや、気付いてないからいいや。帰ろ…」
そのとき、振り向きかけた私の腕を何かが掴んだ。
「最初っから起きてやすぜぃ」
ニヤリと笑う沖田。
……

「いやっ、違っ、今のは…」
「わかったわかった。いいから帰りやすぜぇ」
これ明らかに子供扱い?てかバカにしてる?
焦る私の腕を引いて、沖田は歩き出した。


→後書き
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ