「又市さん、拍手いただきましたよ」
ぱたぱたと走ってきた百介に座布団を勧め、茶菓子を出しながら又市が微笑む
「へぇ、そりゃ勿体ねえってか、ありがてえですね」「はい、嬉しいですね」
屈託なく笑う百介に、そろりと這い寄り、華奢な体を腕に抱き込みながら又市も笑った
「いいお顔で笑いなさるね。奴は何より先生を喜ばせて貰った事に礼が言いてぇ」
二人は寄り添ってこちらを振り向いた。

「拍手、ありがとうございました」






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