main

□Blume
1ページ/2ページ



Blume


「おはようアスラン」

「あ、おはようございます」

ムウが起きてリビングに行ってみると、早起きしていたアスランはもう朝食の準備を終えていた。

「なんか今日はちょっと豪華じゃない?」

豪華といってもごく一般的な家庭の朝食のまま。
だけどいつもはサラダかフルーツヨーグルトどちらかなのに対し、今朝の食卓には両方並んでいた。

「はい、えへへ」

「何かいいことあった?」
「ちょっとだけ」

にこにこと笑うアスランが視線を向けたのは時計の下のチェスト。
その上には同棲を始めた頃からアスランが大切に育てている小さな鉢。
そのみずみずしい緑の中に小さな小さな水色の花が咲いている。

「あ〜なるほどな」

「今年の第一号さんです」

「そっか、そんな時期か」

嬉しそうな可愛らしい笑顔を見せるアスランを抱き寄せ、その頭にキスをしながらムウはふと気付いた。

「なぁアスラン」

アスランの瞳を覗き込む。

「…ムウさん??」

名前だけ呼んで何も言わず頷いているムウに、アスランは首を傾げた。

「あの花、アスランの目に俺が写り込んでるみたいだ」

「??」

「緑の中に水色がちょんと浮いてる感じが」

「ぁ…なるほど」

「なんか俺とアスランが愛し合ってる証みたいだな」

「ぇっ…」

ちょっとした睦言にも頬を赤らめた純なアスランに畳みかける。

「俺がアスランのナカに、ってあたりも、な?」

「な…っ!?」

今度は顔中真っ赤に染めたアスランの目がだんだん怒りを孕む。

「ば、ばか!ムウさんのすけべ!!」

「え〜、そんな言い方ないだろ〜?」

言いながら、再びアスランを抱き寄せる。

「止めてください!セクハラだ!」

「何言ってんの、俺たちラブラブだろ〜?」

「放せ変態!!」

キャンキャンと吠えるアスランを腕にすっぽりと収めてムウは満足そうに微笑う。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ