短編

□短編
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自分の中の好きなところなんてあるのだろうか


嫌いなところならいくらでも挙げられるけれど・・・


「匡、大丈夫か?」

「……」


いつものように'鬼狩り'と称して子供達に暴力を振るわれ、地面に寝っ転がっていた俺の顔を覗きこんできた奴の顔を見るなり、俺は露骨に顔をしかめた。

「おーい、匡ー?」

「…っ、うるせぇよ」


そう言って顔を背けると、上からため息。


「…何でそんなに俺が嫌いなんだよ」

うるせぇ。

お前だって知ってんだろ?

俺は人間じゃねえんだよ。

俺の傷が治るのを見たやつの顔。

…見たくないから、傷つきたくないから、切り離した。

人間なんて嫌いだ。

その方が楽だ。

…でも。

「誰も…」

「ん?」

「誰も、嫌いだなんて、言ってねえ」

その時の高杉の顔。

驚きと、嬉しさが混ざったような、そんな顔。

しかし、直ぐに笑顔で一杯になる高杉の顔。

不覚にも俺は泣きそうになった。

何でそんな嬉しそうに笑うんだ。






…やっぱり、俺は求めてるのか。

自分を認めてくれる存在を。

なら―――


俺の方から






アイシテミテ、ト
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