短編

□秘めたる思いは、伝えられるはずがない願望
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どうしても様子が気になった、だから見に来た。



ただ…それだけだ。

そう自分に言い聞かせながら俺はかつて敵同士だった奴の元へ向かっていた。


「よう、原田」


「……っ!?し、不知火…っ!?」


んだよ、その驚きっぷりは?

驚いて言葉も出ない原田を押し退け、俺は勝手に家に入る。

土産にと持ってきた酒を突き出せば、放心状態なのか何も言わずに受け取った。

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「…っちょ、ちょっと待て、結果的に何でお前がここにいるんだよ?」

自然的に酒盛りになった現状にごもっともなツッコミを入れる原田。

「…んだよ、居ちゃ悪ぃのか?」

俺がどこに居ようが俺の勝手だろ?


そう言えば、原田は「別に」と呟いてため息をついた。

「じゃあいいじゃねえか」
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