短編

□秘めた思い、この胸に納めたままで――
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高杉の墓参りに行く。
もう人間とは関わらない。


そう言って去った彼は――

今、俺の目の前にいる。


「…おい、不知火。」

「あ?」

「…お前、何でここにいるんだ…?」

「んだよ、居ちゃ悪いのか?」

「いや、別に…」

「ならいいじゃねえか。細けぇ事気にすんなよ」

「お前…」

酔ってるな。

そう思ったが、口には出さない。

代わりに大きなため息をついて、素面じゃ付き合ってられんとばかりに酒を煽った。


人の気も知らないで…。
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