Blush
□欲求不満
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1人きりのこの空間が寂しくて嫌だから、オイラはひとりで遊び出す。
「…っ、んぁっ」
邪魔な衣類を脱ぎ捨てて、下半身に意識を集中させて、オイラはオイラを弄ぶ。
手が己の精液でべとべとになってもお構い無し。今はただ、会えない彼に想いを馳せる。
頭の中で、彼をイメージするんだ。
手の動きからやらしい微笑み、息遣いや鼓動の高鳴りまで忠実に。
そうすればホラ、オイラの身体はこんなにも反応するんだ…
「だん…なっ ぅあぁっ…!旦那ぁ…///」
身体の奥から沸き上がる高ぶりに身を委ねようと手の動きを早め、快楽の波に溺れかけたその時…
♪〜♪〜♪〜♪〜パフッ!
「 Σっ!!! 」 ビクッ
傍らに置いていた携帯電話が高らかに鳴り出した。
刺激を受け高ぶっていた感覚は途中で静止したせいか不発に終わり、気ダルさだけが残された。
ため息と共に手についた精液をティッシュで拭き取り、未だに鳴り続ける携帯電話を手にした。
「…って、旦那!?///」
電話の主はサソリであった。あわあわと携帯を持ち直して、電話に出た。
コレでもし、電話の相手が飛段やイタチだったら怒鳴り込んでいただろーに。
「も、もすもす!!!」
『……は?』
いきなり噛みまくってしまい、サソリの怪訝そうな返事がかえってきた。
だって仕方ないじゃんか!さっきまで脳内でオイラのコトを犯してたのに…
まさか本人様から電話がくるなんて思ってなかったよ!?
『お前、何電話越しに噛んでんだよ』
「べ、べべべ別に!?オイラ何もしてねーし!?旦那のコト何か想ってねーし!?///」
本人の声を聞くと先ほどのコト(脳内での出来事)を思い出して、急に恥ずかしくなってきた。
穴があったら入りたい
んで、地球が爆発する日まで埋まっていたい…
『ククッ まぁいい。
…それよかお前、ひとりでヤってたろ?』
「 Σっっ!!!? 」
オイラが黙り込むと、サソリは楽しそうに笑い出した。電話越しなのに笑っている姿までも想像できるオイラは末期かもしれない…
「Σなっ!?笑うなよ!!」
『図星かよ…(笑)
…ケド、良かった。お前も俺と同じで』
「……はぃ??」
サソリはひとしきり笑った後、急に色っぽいため息をついた。
それを聞いただけなのに、オイラの身体は疼く。
『今…お前のコト考えながらヤってる最中だったんだが…
なぁ…お前がもしよければ
声、聴かしてくれねぇか?』
耳元で色気溢れるサソリの声が響き、オイラは無意識の内に自身を掴むと、期待を込めて返事を返した。
『いい子だ…
一緒に気持ちよくなろぅな?デイダラ…』
会えないケド、心で繋がっているから
何処にいても同じ気持ちを、快楽を
キミと一緒に…
(end)