Blush

□嫌よ嫌よも…
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『一尾を狩ってこい』

リーダーの命令通りに砂隠れに潜入して、起爆粘土に乗り上空を華麗に舞う。

旦那を待たすまいと、意気揚々と隠密行動を続け、目標である一尾を探す為に風影邸に降り立った瞬間…



「 っ!!? 」



身体に衝撃が走り、地面に叩きつけられた。




そのまま遠く意識の中、
見馴れた影と腕を組んで此方を見下ろす青年が目に入った…





















「………う゛…んっ」


うっすらと瞼を開け、唸るように声を絞り出す。後頭部に走る痛みで思考が回らない。



此処は…?
オイラ、どーしちゃったんだ?



ぼやけた視界も段々はっきりしてきた頃、手足首に違和感を覚えた。




「なん、だよ…コレ」



頑丈な鎖に拘束され、身動きが取れない状態にあった。
壁から伸びる4つの鎖に自由を奪われ、抵抗虚しく重い金属音が鳴り響くだけ。

忍具や術が使えれば直ぐにでも抜け出せるのに、脱出手段は目と鼻の先にあるのに、使えないのが口惜しい。


「くそ…っ!何なんだよ!」


吐き捨てるように言い放ち、宙を睨んだ。
不覚にも捕まってしまった自分に腹が立つ。何の為の隠密行動だよ…!
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