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□#やっと捕まえた。
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「いてっ……」
桂は見覚えのない密室に閉じ込められており、ひどい頭痛で目が覚めた。冷たい床に横たわっていて、体は冷え切っていた。一体何があったのか。そうだ、道を歩いていたら背後から急にハンカチで口を覆われて、……。
『ガチャ』
突然、ドアが開いた。目が覚めたばかりで目がかすみ、誰の人影なのかがよく分からない。一歩ずつ桂に近付いていった。桂はむくっと体を起き上がらせた。
「桂が俺なんざに捕まるたァ奇遇だなァ」
「その声はっ」
桂は声を聞いただけでそいつが沖田だと分かった。
沖田はドアの鍵を閉め、桂のすぐ横にしゃがみ、桂の顔を覗き込んだ。にやりと笑い、紅い瞳が光る。
「いい顔しやがって」
そう言って沖田は机の上に置いてあるコップ一杯の水を口に含み、そのまま無理矢理桂の唇に重ねた。
「ンっ――!はぁ、何を飲ませたッッ!!」
「まぁ大人しくしときな」
桂は思いきり沖田を睨むと、何か企んでいるような微笑みを見せた。