七色の猫
□私と子猫の出会い
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ザーっと激しく雨が降る中
傘も差さずに私は走る。
いや、正確に言えば傘を忘れたのだ!
『うっわーーーーん!!最悪!マジ死ねや!!』
誰に向けるでもなく空しく叫ぶ私。
靴はすっかり濡れ、ヌッチャっとした何とも言えない感覚が足に伝わってくる…
気持ちが悪い;
『早く帰って着替えようっ』
そう思い駆け出そうとした、その時。
「にゃー…」
『!!?』
草むらの方から弱弱しい泣き声が聞こえてきた。
私は恐る恐る、声のした草むらの方へ歩み寄る
するとそこには
雨でびっしょりに濡れ、ふやけ、原型を留めていないダンボールがゴミの様に投げ捨てられていた
そのダンボールが微かに揺れる
『−−っつ!ま、まさかっ』
私は慌ててダンボールの蓋を開け中身を確認した
そこには
『や、やっぱりだ!子猫!!』
すっかり雨に濡れ、弱弱しく震える七匹の子猫の姿が…
子猫は微かだが、まだ意識はある。
しかし、子猫は目に見えて弱っていた…
『猫ちゃん、猫ちゃん!!しっかりして!!』
私は無意識に、七匹の子猫を抱き締め
背中を優しくトントンっと叩くが、ピクリとも反応しない。
私はそれを見て止めていた足を
再び走らせて、自分の家へと向かった。
『猫ちゃん!猫ちゃん!!
大丈夫だよ、もう大丈夫だから!!』
意識が朦朧としている子猫に
何度もそう、叫びながら…
私と子猫の出会い(完
次回に続きます!