スマブラ(DX〜X)《その1》紅のツバサ

□緑色の悪魔
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緑色の悪魔








とある昼過ぎ
食堂では参戦者たちがいつものように昼食を食べていた。
そんな風景のなか、騒がしいいつものグループがひとつ…
ピット「絶っっっ対食べたくない!」
マルス「好き嫌いいうからキミはちびっこいままなんだよ!ほら、ちゃんと食べて!」
ピット「いやだいやだ!こんなこんな物体を食べ物だとは思いたくない!」
アイク「もぐもぐ…やっぱ肉が一番だな。」
ピット「ほら、アイクだって肉がいいって言ってるじゃん…だから僕もそっちのハンバーグを…」
マルス「アイクは背が高いからなんでもいいんだよ!さあ、早く食べて…」
そんな騒がしいグループに近づいてきたリンクと夢子。
リンク「なんですか?騒がしい…」
夢子「皆さんどうしたんですか?何か揉めてるみたいですけど。」
マルス「ああ…ピットくんがわがまま言ってて…」
ピット「わがままじゃないよ!ただ嫌いなものを嫌いと言ってるだけだもん!」
アイク「…それをわがままという…。」
夢子「嫌いって何が?」
ピット「これだよこれ!憎たらしい緑色!」
ピットが指指す皿の上にのっているのはピーマンだった。
夢子「あ、チンジャーロースじゃないですか!美味しいですよね、コレ!」
ピット「えええ、夢子は食べれるの!?」
マルス「大人はみんな食べれるの!まあ、僕も小さい頃苦手だったけど…。」
リンク「確かに好き嫌いがよくないですね…。」
夢子「そうだ、みんなでピットさんの好き嫌いを克服させませんか!?」
アイク「…それは名案だな。」
マルス「さすが夢子!いい考えだね!」
ピット「克服…できるかな〜…。」
夢子「大丈夫ですよ!絶対うまくいきます!」




食堂を後にしたピット、マルス、アイク、リンク、そして夢子の5名は
キッチンへと脚を運んでいた。
キッチンは白く輝き清潔に保たれている。
マルス「ここってルイージがいつも使ってる台所だよね?」
夢子「はい!ルイージさんに使っていいって許可もらってるんで…。」
リンク「…と、いうことはここで料理するんですか?」
夢子「はい!」
ピット「…夢子が作るのだったら食べれる気がする!僕…頑張る!」
夢子「リンクさんとマルスさんとアイクさんも手伝ってくれますか?」
リンク「いいですよ!」
マルス「もちろん!」
アイク「わかった。」
3人の返事を聞いた夢子は嬉しそうに頷くと4人分のエプロンを出した。
夢子「じゃあまずはコレを着てください!…あ、ピットさんは向こうのテープルで待っててくださいね!」
ピット「楽しみにしてるからなー!」
マルス「エプロンなんて初めて着るんだけど…どう?似合う?」
アイク「微妙だな…」
マルス「コラ!ここは似合うって言うべきじゃないか!」
リンク「着ましたよ夢子さん。」
夢子「じゃあ、まずはピーマンの種を刳りとってください!ピーマンはリンクさんが担当でいいですか?」
リンク「分かりました。」
夢子「マルスさんとアイクさんはひき肉で肉ダネを作ってもらっていいですか?」
マルス「おっけー!」
アイク「…肉か…やる気出てきた。」
夢子「私はタレを作りますね。」
各担当を決めた夢子たちは早速調理を開始した。
リンク「ピーマンは子供が嫌いな野菜ベスト3に入りますからね…村の子供達を思い出します。」
夢子「そういえばリンクさんってトアル村って村出身って前に言ってましたね?」
リンク「はい…そこにいる子供たちもピーマンが嫌いで…どうにかして食べさせようと俺も悩みました。懐かしいなー…」
アイク「…ひき肉を見ると唐揚げを思い出す…。」
マルス「…なんで唐揚げなんだい?」
アイク「唐揚げ作ろうとしたらひき肉になった…。」
マルス「…意味がわかんない…。」」
夢子「そういえばリンクさんが前に言ってましたね、アイクさんとカービィがお腹すいて唐揚げ作ろうしたって。」
アイク「どこかで揉めば揉むほど上手くなると聞いた。」
リンク「そして揉みすぎたんですよね…まったく鈍感と言うかアホと言うか…」
夢子「やっぱりみんなで料理するのって面白いですね!」
リンク「ピーマンの種取り終わりましたよ。」
マルス「こっちも混ぜ終わったよ。」
夢子「それじゃあ、ピーマンにその肉ダネを詰めてください!」
アイク「詰めたぞ。」
夢子「そしてタレをつけてオーブンで焼けば…」
マルス「これならあのピットくんでもたべれそうだね!」
アイク「なるほど…。」
リンク「ナイスアイディアですね!夢子さん!」





15分後ー・・・



キッチンの済にあるテーブルではピットが眠たそうな顔でテーブルに肘をついていた。
ピット「ねーまだー?」
待ちくたびれたピットを見て夢子は急いで返事を返す。
夢子「あ…出来ましたよ!今持っていきますね!」
ピットの前に夢子たちの作った料理の乗った皿が置かれる。
その皿からは美味しそうな香りが立ち込める。
ピット「蓋開けていい?」
夢子「どうぞ!」

パカッ・・・

ピット「これは…!」
夢子・リンク・マルス・アイク「「「ピーマンの肉詰めです!!!」」」
皿の上にはピーマンの肉詰めが添えられてあった。
ピット「…よし、みんなが一生懸命作ったご飯だもんな…勇気だして食べてみるよ!」
目をつぶりながらピットはピーマンの肉詰めを食べた。

パクッ


モグモグ・・・・


夢子「どう・・ですか・・?」

ピットの表情に笑がこぼれた。
ピット「…これ…美味しい!」
その返事を聞いた4人はガッツポーズをする。
夢子「やった!ピットさんピーマン克服できましたね!」
マルス「よかったじゃないかピットくん!」
アイク「夢子のアイディアが良かったな。」
ピット「どんなアイディア?」
リンク「昼にピットがハンバーグ食べたがってたでしょう?それを利用したんですよ。」
夢子「ピットさんが好きなハンバーグとピーマンを合わしたらどうなるかなって思って…。」
ピット「そっか!ハンバーグのタネをピーマンに入れたんだ!」
夢子「正解です!」
ピット「ピーマンって料理次第でこんなに味が変わるんだね!僕これ気に入ったよ!みんな、ありがとう!!!」
うれしそうに喜ぶピットをみて夢子たちも喜んだ。
夢子「みんなで料理するのがこんなに楽しいとは思いませんでした…皆さんまた一緒に作りましょう!」
こうしてピットのピーマン嫌いは克服された。
めでたしめでたし・・・

















・あとがき・
ピーマンは嫌いな人多いですよね。
この方法は使える技です!




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