スマブラ(SP)《その2》世界シリーズ

□気づいてしまった。この力は君を守るためにある。そして僕は誓った。
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【気づいてしまった。この力は君を守るためにある。そして僕は誓った。】

今日は休日。
夢子は久々に買い物へ行くため電車に乗ろうとしていた。
いつもなら護衛が付くのだが、夢子はどうしてもひとりで行きたいと
剣士組に頭を下げて頼んで今に至る。
皆凄く不安そうな顔をしていていたが、仕方がない。
たまにはひとりの時間も必要
それに大事な用事だから余計そうなるのだ。



夢子「最近電車乗ってなかったなぁ…」
電車を待つホームは人で溢れかえっていた。
夢子「流石休日ね…まあ平日でも通勤ラッシュだけど。」
夢子は目的地へ行ける電車が来たのですぐに飛び乗った。
電車の中は狭くて人と人が常にぶつかる状態。
夢子(うーん混んでるなぁ…それに暑い…。クーラー効いてないのかなぁ)
電車は動き出した。
席はお年寄り優先なので夢子は人混みに押しつぶされそうになりながら
頑張って踏ん張って立っていた。
するとその時だった。
何かが足に触れる。



夢子(え?)


最初は誰かの足がぶつかったのだろうと思った夢子だが
違う。足ではなく手だ。

夢子(嘘…まさか…痴漢?!)
その手は夢子の太ももを摩ってきた。
夢子(き…気持ち悪い…!)
大声を出したい気分だが初めてあった痴漢への恐怖で声が出ない。
手が段々上へ上へと少しづつ上がってくる。
夢子(怖い…一体どうすれば…)


その時だった。
夢子のスカートに手を入れていた男の腕を掴み、怒号を上げる人物が現れた。


シュルク「この人今痴漢してました!」


夢子「しゅ…シュルク!?」


周りにいた人たちが騒めく。
当然だが痴漢はシュルクに捕まえられたので目立っている。
逃げ場はない。
きっと電車が止まれば警備員に連れていかれる。
痴漢はその場の人で固められた。



夢子「ありがとうシュルク!でもなんで?
     私、みんなに今日はひとりで行くって言ったのに。」
シュルク「未来視ですよ。夢子さんのこと考えてたら見えて。
     そしたら痴漢になにかされそうになるってわかったので
     実は後ろからひっそりついてきてしまいました。…すいません。」
夢子「ううん、シュルクのおかげで私助かった…!
      こういう時って恐怖で声が出ないって言うけどほんとね…
      私声も出ないし動けなかったもん。」
シュルク「女性にだけある不幸ですね。僕らにはわからない恐怖ですが…
     そうとう怖かったでしょうね‥‥夢子さん、よくがんばりました!」
夢子「うう、ありがとう…」

電車が目的地の駅へ止まり痴漢は警備員に引き渡された。
シュルク「そういえば今日はひとりで買い物するって言ってましたね?
     僕居たら邪魔ですかね?」
夢子「ううん、シュルクも来ていいよ!あ、でも店にはひとりで入るから!」
シュルク「わかりました、行きましょうか!」



夢子とシュルクは町へとかりでた。
商店街にも様々な店舗があり魅力的な商品ばかり。
しばらく歩いて一件の店へとたどり着いた。
夢子「さて…シュルクは外で待っててね!買ってくるから!」
シュルク「ゆっくり選んでください〜」




15分後…
夢子が店から出てきた。
シュルク「思ったより早かったですね。もっとゆっくり選んでよかったんですよ?」
夢子「うん…ある程度決めてたから!良かった、無事買えて!
      あ、そこに公園あるから少し休憩しよ!」
夢子とシュルクは公園のベンチに座った。
そこで買ってきた品を袋からおもむろに出す夢子。

夢子「はい、シュルク!これプレゼント!」
シュルク「…宝石?」
夢子「そんな高いものじゃないよ。パワーストーンって言うの。
      パワーストーンには種類が色々あって。
     シュルクのはラブラドライトって言って
     【危険、邪気避けのお守り】の効果あるの。
     まあ、強いからそんなのいらないと思うけど…」
シュルク「夢子さん…。」
夢子「あ、ゴメン…やっぱりいらないよね?」



シュルクは目を輝かせ夢子の手を握りしめて言った。
シュルク「全然!寧ろ嬉しくて泣きそうです!
     ありがとうございます、大切にしますよ!ずっとお守りにします!」
夢子「ふぅ…なんだ、喜んでくれたのね…
     一瞬顔が曇るから心配したわ‥‥よかった!」
シュルク「他にも買ったんですか?」
夢子「うん、リンク達の。でも…実は他は全部水晶でまとめてるの。
      シュルクには今日の借りがあるから特別に選んだの。」
シュルク「夢子さん、僕本当に嬉しいです!
     なんだかルフレ達より得した気分で…幸せです。」
夢子「じゃあ家に帰ろっか!あ、この事は私とシュルクの
      2人だけの秘密ね?絶対にナイショダヨー!」
シュルク「はい!…なんだか生きてて良かったと今心の底から思いました!」







シュルクは思った。
やっぱり自分は夢子のことを友達以上に意識してると。
自分を出すのが下手で気を使ってばかりだが
いつか彼女に振り向いてくれる…そんな日が来ることを夢見て
今日も中立の立場で・・・。


 

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