人を恋ふ。
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毎日同じことの繰り返し。毎日、毎日。それが嫌な訳やない。絆を深め、しのぎを削り合った仲間と、笑い合えるという日常は。俺にとっては、何にも変えがたい、大切なモンやから。
けれど。どうにも、何かが物足りひん。テニスでそれなりの成績を出しても。テストで100点を取っても。どうしても、俺は満足出来ひんかった。それが何か、は判らへんけれど。
「ほな、資料集の135ページを開きいやー」
古典の教師が資料集を掲げて声を通す。呆けていた俺も慌てて皆に倣った。今は6時限目、つまり最後の授業や。今日はオサムちゃんの都合で部活も休み。いつもより気が緩んでしもたんやと思う。教科書開くんを、遅れたんは初めてやった。
慌ただしい音を立てて開かれたページは所謂、百人一首で。どうしてか、息を呑むかのように引き込まれた。
「これはなかなか逢えへん恋人に宛てた、恋慕と嫉妬の和歌や。この時代では通い婚って言うてな…」
先生の言葉すら、きちんと頭に入ってこなかった。最近何故か寝不足だからやろか。まるで目の前が霞んでいるかのような。それなのに、資料集の文字だけはしっかりと入ってきて。
ああ、なんと美しい世界なのだろうと。心から感心した。たった31文字の世界なのに。その一文字一文字に、まるで魂が宿ったような。情景が浮かんでくるその世界に、
――引き込まれるように瞼が下りた。
意味の判らないプロローグで申し訳ないです(´・ω・`)
とりあえず、頑張って更新するぞ!
…ヒロインが出てきていない、だと!?
20120922