1号
□SOCCER GIRL's 大作戦
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稲妻町の商店街を二人の少女が歩いていた。
一人は小麦色の肌で髪は明るい水色のセミロングの少女、もう一人はスーツをビシッと決めた、肩までの蛍光ピンクの髪が目立つ少女。
どちらもなかなかの美少女である。
「それにしてもあれやな。円堂たちが日本代表になったなんてほんまビックリやわ」
「あいつらなら世界とだって戦えるよ。でも悔しいよな、女子は出られないなんてさ」
「仕方ないやんか。大会規約で男子しか出られへんようにて決められとるんやから。なんなら大会理事長に直談判しにいこか?」
「別にそこまでは言ってないけどさ」
“戦い”“直談判”など二人は女の子同士の会話には少し不釣り合いな話を続ける。
「リカさん、塔子さん!」
その時、前方から二人を呼ぶ声がした。
声の主は小走りで近寄って来る。
「秋?それに春奈も!」
蛍光ピンクの髪の少女、塔子が近寄って来た人間の名前を口々に出した。
隣に居た水色の髪の少女、リカも目を丸くする。
「二人ともどないしたん?皆の練習見てなあかんのと違うか?」
「わたしたちは買い出しに来たんです。リカさんたちこそどうしてここに?」
「あたしたちは雷門中に練習見に行くところだったんだよ。オーストラリア戦突破したお祝いも兼ねてさ」
「そうだったんだ」
4人は久々の再開に会話に花を咲かせた。
ばらばらに離れていても、集まれば何事もなかった様に話すことが出来る。
それが打倒エイリア学園の旅で培った絆だった。
「あ、忘れてた。秋たち買い出しに来たんだったよな?あたしたちも手伝うよ」
散々話し込んだあと、塔子が仕切り直した。
他の三人も思い出した、と言う顔になる。
「ありがとう。でも、食料とか日用品買いに来たわけじゃないんだ」
「え?ほんなら何買いに来たん?」
リカは口に手を当て不思議そうに秋と春奈を見た。
秋は商店街の一角を指差す。
「今からあの手芸屋さんに行こうと思ってたの。お守りの材料を買いにね」
「お守りィ?」
リカの顔にますますハテナマークが浮かぶ。