5号

□キーパー同志は似た者同士
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夕食後、井吹はギャラクシーノーツ号の通信室に向かっていた。
別に井吹自身に用事はなかったのだが、たまには両親に顔を見せてあげた方がいいとさくらや真名部に再三言われ、いつまでも言われ続けるのも面倒臭くなっての行動だった。
だるそうに首を触りながら自動扉をくぐると、そこには先客がいた。

「井吹?珍しいね、井吹がここに来るなんて」

先客は信助。
信助は勝手に入ってきたことに怒る様子もなく、むしろうれしそうな顔をしている。
信助越しに画面を見ると雷門サッカー部のユニフォームを着た人物が数人映っていた。

『久しぶりだな』

「確かおまえは…」

「霧野センパイだよ。雷門サッカー部キャプテンの」

信助に教えてもらいやっと思い出す。

(イナッターでやたら神童のことで突っかかってきたヤツか)

面倒をかけるなだのまるで神童の親のように色々言ってきてあまりいい印象はない。
だがそれをあえて出さず信助の横に並ぶ。

「悪かったな、仲間で話してるとこに水差すようなことして」

『構わないさ。それに、おまえのことも仲間だと思っているしな』

答えたのは三国。
その答えに他のメンバーからも参道の声が上がり、井吹はなんとなく恥ずかしくなりあいまいにお礼の返事をのべる。

『みんなの調子はどうだ?神童の話だとサザナーラって惑星との試合は苦戦したって聞いたけど』

「そうなんですよ!みんなココロを読まれちゃって全然パスがつながらなくて。でも皆帆の機転で突破口が開けたんです!」

『皆帆ってたしかディフェンダーのヤツだよな。ディフェンダーが活躍したって聞くと同じポジションとしてうれしいな』

「はい。元ディフェンダーとしてもうれしいです!」

「元ディフェンダー?」

それまで傍観していた井吹が突然口を挟んできた。
信助は話すのをやめ井吹を見る。

「おまえ始めからキーパーじゃないのか?」

「うん。雷門サッカー部にはディフェンダーとして入部したんだ。あれ、言ってなかったっけ?」

「聞いてない」

井吹はあからさまに機嫌が悪くなった。
そのあと信助は霧野たちとしばらく話していたが、通信の電波に雑音が入るようになったのでそろそろ時間だ、ということで別れの挨拶を交わし通信を切る。
信助が椅子から降りると井吹が仁王立ちしていた。

「な、何?」

「今からオレの部屋に来い。どういうことか説明してもらう」

「え?あ、ちょっと!」

返事も聞かず井吹は信助の腕を掴み通信室をあとにする。
身長差もかなりあるので信助は足がもつれそうになり何度か体が浮いてしまい、そのたびに井吹に腕を放すよう言うのだが、それはまったく聞き入れてもらえなかった。


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