5号

□僕だけのAngel
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「円堂」

ライオコット島のビーチで1人夕焼けを眺めていた円堂に、豪炎寺が後ろから話しかけた。
声に気づいた円堂は立ち上がり豪炎寺に近づく。

「1人で何をしているんだ?」

「ちょっとぼーっとしてたんだ」

「…フッ珍しいな。お前がそんなことしてるなんて」

「何かさ、オレたち世界一になったんだよなぁって思ったら昔のこととか思い出してきちゃって。部員が7人しかいなかった頃からは考えられないよな」

「そうだな。あのとき『弱小だ』ってバカにしてたヤツらは今頃どう思ってるんだろうな」

「どう思っててもいいさ。オレたちのプレイを見てちょっとでもサッカーに興味もってくれればさ!」

白い歯を見せて笑う円堂につられて豪炎寺も笑みをこぼす。
こんな考えができる円堂がキャプテンだったからこそ世界一になれたのだと改めて思う。
そんなとき、二人とは別の足音が近づいてきた。
円堂と豪炎寺が振り返るとそこにはマネージャーの秋が駆け寄ってきていた。

「おう、アキ!そんなに急いでどうしたんだ?」

「今フィディオくんたちが宿舎に来てるの。話したいことがあるからみんなを集めてくれって」

「フィディオが?何の用だろうな?」

円堂は腕組みをして首をひねる。
練習試合の約束はしていないし、そもそもFFIが終わってから連絡もとっていない。

「考えるより本人たちに訊いた方が早い。取り敢えず急ごう」

円堂は頷いて豪炎寺と秋とともに宿福に向かう。
これからとんでもないことが起こるとも知らずに。


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