1号

□オレもあいつも負けず嫌い
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「お帰りなさいッス豪炎寺先輩〜!」

「待てって壁山!そのまま行ったら豪炎寺が潰されちまうって!」

飛び付きそうになった壁山を土門や秋が止めた。
豪炎寺は驚いて少し身構える。
壁山の体の大きさは『イナズマ落とし』の時に身を持って体験済みだから当たり前の反応だよな。

「へぇ…あんたが豪炎寺っちゅうやつかいな。なかなか男前やんか。ま、ダーリンには敵わへんけどな!」

「うわっ!ちょ、ちょっとリカ!」

リカは豪炎寺の顔をまじまじと見たあと凄い速さで一之瀬の腕に抱き着いた。
オレたちにとっちゃ見慣れた風景だけど、初めて見た豪炎寺はぽかんとしている。

「豪炎寺くん、気にしないで?いつもの事だから」

秋が慌ててフォローに入る。
豪炎寺はああ、と冷や汗を流しながら笑った。

「とにかく、今まで力になれなくて済まなかった。これからはオレも一緒にエイリア学園と戦うから」

仕切り直してオレたちの方を見てそう言った。
サッカーをまた始めてくれるって言った時と同じ瞳だ。
あの時と同じように熱い気持ちが込み上げる。

「おう、一緒に頑張ろうぜ!」

綱海が駆け寄って豪炎寺の肩をバシンッと叩いた。
背の高い綱海に叩かれて転ぶんじゃないかってぐらいよろける。

「よし!じゃあ景気付けに乾杯でもやるか」

「乾杯?」

綱海のいきなりの提案に、皆の頭の上にハテナマークが浮かぶ。

「何だよノリ悪いな。めでたい事があったらとりあえず皆で乾杯だろ?」

「いや、そんなおまえルール知らないって!」

腕組みをして当然って顔してる綱海に思わず木暮がツッコんだ。
皆も今ばかりは木暮に賛成してる。

「待てよ皆。やっと豪炎寺が帰ってきたんだ。イプシロン・改にも勝てたんだし、お祝いするのも良いと思うけどな」

オレは間に入ってな?と皆の顔を見た。
綱海は笑ってて皆は考え込んでる。

「円堂がそう言うなら。仲間が増えるのは嬉しいしさ」

しばらくして塔子がそう切り出した。

「そうだね。せっかく豪炎寺くんと会えたんだし」

吹雪も体調が戻ったのかいつもの表情で柔らかく笑う。

「じゃあ決まりだな。今から夕食も兼ねたお祝いだ!」

オレは拳を突き上げた。
皆からもおおっ!と声が上がる。
何となく沈んでた雰囲気が一気に明るくなった。
綱海のおかげだな!


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