10万ヒット記念小説

□Lightning WARS〜ぼくたちの友情〜
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「みんな!荷物をまとめて中へ入るんだ!」

天馬の号令で全員で散らばったボールをカゴに入れたり、ベンチに置いてあるドリンクやタオルを取り敢えずクーラーボックスに詰め込んだ。
全部入れ終わると葵が持ち上げようとしていたクーラーボックスを剣城が肩に掛け、先に部屋に行くよう話している。

「ボールは俺が片付けてくる」

「俺も手伝うぜ!」

「井吹、鉄角。頼んだぞ!」

手際よく作業を進めていたメンバーだったが、その間に雷はどんどん近づいてきていた。
ついに鋭い光と共に耳をつんざくような雷鳴が周囲にとどろく。

「うひゃああああッ!」

「森村!大丈夫か!?」

あまりの轟音に驚いた好葉が耳を塞ぎ座り込んでしまった。
すぐに九坂が駆け寄りなだめながら立ち上がらせる。

「こ…鼓膜が破れるかと思ったよ…」

「すごい音でしたね…。近くに落ちたんじゃないですか?」

「もう早く戻りましょうよ。次は私たちに当たっちゃう…ってキャプテンは?」

さくらが不思議そうな声でみんなに問い掛けた。
気づけば率先して号令を掛けていた天馬の姿がなくなっている。
更に天馬の近くにいたはずの神童と剣城もおらず、剣城が肩に掛けていたクーラーボックスと、神童が作成した練習メニューの紙だけが地面に落ちていた。

「先に中に入っちまったんじゃねえのか?」

「天馬も神童さんたちも、みんなを置いて先に行っちゃうなんてことしないと思うけど…」

「100%そうとは言い切れませんよ。誰にだって苦手なものはありますからね」

真名部の皮肉めいた言葉に葵は口を閉じうつむいてしまった。
その間に井吹と鉄角が戻ってきて、まだグラウンドに残っていたメンバーにいぶかしげに近づいてくる。

「なにモタモタやってるんだ?待っててくれなくてもよかったんだぜ?」

「そういうワケじゃなくて、キャプテンと神童さんと剣城くんがいないのよ。そっちに行ってない?」

「いや、来てないし途中でも会わなかったが…」

「…なんだかイヤな予感がする…わたし捜してくるね!」

「あ、葵さん!?ちょっと待ってよ!」

さくらの制止も聞かず葵は室内へと駆けていった。
残されたメンバーはお互いに顔を見合わせ葵のあとを追う。
何かが動き出したことは新生イナズマジャパン全員が感じていた。


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