1号

□中一と小六の論争
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「それで、その時の豪炎寺さんの爆熱スクリューがゴールに突き刺さって!円堂さんが全然反応出来なくって!こっちまでブワッと熱風が来て!とにかくスッゴくカッコ良かったんです!」

皆が食堂に集まり食事が始まっても虎丸の興奮の熱は収まらず、先程行われた円堂と豪炎寺の勝負を、周りの人間に誰彼構わず話し続けていた。
始めは風丸やヒロトが話し相手になっていたのだが、今では“もう切り上げたい”と、どちらの顔にもハッキリ書かれている。

「…ったく豪炎寺、豪炎寺ってウルセーにも程があんだろうが。やっぱ小学生は小学生だな…」

そう呟いた不動はフォークを皿にカツカツと不機嫌そうに当てた。
せめてもの抵抗か、頬杖を突いた手で片方の耳を塞いでいる。

その時、ガタンッと立向居が席を立った。
その音に虎丸が話をやめ、他の皆も一斉に立向居の方に振り返る。

「立向居?どうしたんだ?」

驚いた円堂が声を掛けた。
問い掛けには答えず、立向居は肩を震わせうつむいている。

「…虎丸くん。さっきから聞き捨てならない事があるんだけど…」

「な、何ですか?」

名指しされた虎丸がたじろいだ。
立向居は拳を固く握りしめると、キッと虎丸を睨む。

「さっきから聞いてると、まるで円堂さんが弱いみたいじゃないか!」

「………え?」

食堂内が固まった。
豪炎寺や鬼道は冷や汗を流し、突然名前を出された円堂はぽかんとしている。

虎丸も目を丸くしていたが、すぐに不機嫌そうに立向居に目線を合わせた。

「…別にそんな事言ってませんよ。ただオレはさっきの勝負で勝った、豪炎寺さんの凄さを聞いてもらってるだけです」

「それが結果的に円堂さんを悪く言ってる風になってるんだよ」

「なってません」

「なってるよ」

「なってませんってば!」

「二人とも落ち着け!」

次第に声が大きくなり、今にもつかみ合いのケンカになりそうになった所を鬼道が咄嗟に割って入った。
その声に二人はハッとなり大人しくなる。

「…ほら、折角の夕飯なんだからよ。もっと楽しくやろうぜ?な?」

「そうだぜ皆!雰囲気が暗いとこんなに美味い飯がまずくなっちまうからな!」

沈んだ空気を払拭させるように、綱海と土方が盛り上げようと明るく振る舞う。
それに応えるようにメンバーは食事を再開させた。


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