1号

□かならずまもるから
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「じゃあ、いい子で留守番してるんだぞ?後の事はいつものお手伝いさんに任せてあるから」

温かくて大きな手が頭に乗せられる。

「…今度はいつ帰ってくる?」

その手を両手で握りしめ、目線が合うように必死で見上げた。

「春奈の誕生日には帰ってくるよ。ずっと前から約束してたもんな」

するっと手の間を抜けていく父親の手。

「有人、春奈のこと頼んだぞ。おまえはお兄ちゃんなんだから」

そう言って父親は母親とともに玄関に向かう。

「おとーさん、おかーさん。…いってらっしゃい」

春奈が兄の服を握りながら寂しげに両親に手を振る。
両親も優しく二人に笑い、空港へと足を向けていった。

いつもの事だ。
出張が終わったらすぐに帰ってきてあのまた大きな手で頭を撫でてくれる。

そう信じていた。






しかし、両親が乗った飛行機が事故に遭い、帰らぬ人となってしまった事を知らされる。
二人は親戚中をたらい回しにされ、最終的に施設に預けられる事になった。


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