1号

□オレもあいつも負けず嫌い
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今まで諦めた事なんて一度も無い。
どんなに絶体絶命のピンチだって必ずチャンスは来る。
それまでやって来た努力は絶対に裏切らないから。

でも風丸と栗松がチームから去って皆の士気が下がっていたのも事実だった。
もう仲間がいなくなるのは嫌だ。
そう思ったばかりなのに今目の前で吹雪が鬼道の手を借りてコートから退場していく。

また一人、エイリア学園との戦いで仲間が傷付いてしまった。

…どんなに頑張ってもオレたちじゃイプシロン・改には、エイリア学園には勝てないんだろうか。
皆の無念の思いを晴らしてやる事は出来ないのか?

頭に諦めの文字が横切りかけた時、遠くからスパイクが地面を噛む音が聞こえてきた。
皆の視線が近付いて来るその音に、そいつに集まる。

「待たせたな、円堂」

グラウンドの真ん中に立ったそいつは、台詞とともにパーカーを脱いだ。
現れたのは白みが強い金髪に鋭い目、青と黄色の雷門のユニフォーム。
必ず会えるって信じてたオレたちの大切なもう一人の仲間。

「いつもおまえは遅いんだよ!」

汗をぬぐって叫んだ。

そうだ。
まだ諦める訳にはいかない。
どんな時でも最後まで全員でサッカーをする、そして勝つ。

それが雷門サッカーじゃないか!


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