仮面・・・そして陰

□神様選び
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暗闇の中に
狐に似た仮面で顔を隠し
髪は長く後ろで束ねた陰が一人

大守に使命された人間の所へ向かう

「・・・ふぅ、ここか?」

あたりを見回すとどうやら季節は夏らしく、外で蝉が鳴いている
目の前にある家は、黒と白の幕が部屋一面に張ってあり
隣の部屋では木魚がなり、一人一本菊の花を持って並んでいる


あぁ、葬式・・・だったかな?
まったく人間てのは、この暑い時期にご苦労なこった


俺は壁をすり抜けて奥の部屋に行った
そこには声を上げて泣く女と、それを励ましている男女が二人

そしてその光景を黙って見てるガキ、中学生くらいか?こいつが候補の一人だ

「あ、アイツが候補ねぇ・・・面倒くさそうだな」
俺は独り言をブツブツいいながら、ガキに近づいた

トットットットッ

畳にブーツの音が吸収される


シュルッ
俺はガキの体の中に入った、案外簡単だな


さぁて、ここからが本番だ



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