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□好きになる気持ち
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「なんで人って恋するのかしら」

「へっ」

「訂正、タブレットは何故人を好きになるのか」

「……なんで俺に聞くんだ?主」

「別にそこにいたから聞いたのよ」

レディは白雪姫の本から目を離さずに太陽に話し掛ける
太陽はレディに聞かれた内容で思い浮かべたのは創造主を愛した魔術師と前代を
愛した月…
二人とも叶わぬ恋と分かっていながら彼らは人を愛した

『それは俺もか…』

太陽はうーんと唸った
レディは中々問いに答えない太陽に痺れを切らし本を閉じ太陽を睨みつけた。

「何よ、さっさといいなさいよ」

「何て言うか…主と話していると心が落ち着くとか…えーと…」


バンッ!


言葉が中々出てこない太陽にキレたレディは机を叩いた
そんなことを聞きたいんじゃないと言った顔をしている

「主?」

「私は人を何故愛せるかを聞きたいの、主と一緒にいたら心が落ち着く?そんな
答じゃ私は納得できない、そんなんで人を愛せるの?」

愚かなうえにバカバカしいしいとレディは言ってまた本に視線を落とした。
太陽はレディの言葉を聞いて笑った。
いきなり笑い出した太陽に目を点にしたレディ
太陽はレディのその顔にさらに笑いが込み上げてきた。
さらに笑うとレディの顔が段々険しいものになる。
不機嫌オーラを出しながらレディは地を這うような声で言った

「なんなのよ」

「いや……主が恋人を剥がせないのがよくわかっただけ」

「うるさいわね!!」

レディは本を太陽に投げ部屋から出ていった。
本をキャッチした太陽はペラペラとページを開いた
内容は毒りんごを食べた姫が王子のキスで目覚め、姫と王子は幸せになったとさ
、めでたしめでたし
と言う内容だった
レディはこれを見てきっとくだらないと言っただろう


「愚か…か…」


太陽は先程レディの言った言葉を思い返した。

『確かに人とタブレットの恋愛など一方通行に過ぎない、恋したって報われねぇ
…愚かだ…』

「でも…好きになっちまったもんな…」

強い光りを持った少女に…
太陽は本を机に置いて、キッチンへ向かった
腹が減ったからつまみ食いしに行くのだ。
いつも通り月に怒られてたたき出されるだろう

「人を好きになる苦しみが分かったって言ったら月はどんな顔するかな」

悪戯を覚えた顔で言う太陽
それが、誤解を招き月と魔術師にサツキ様に近づくなやホモと言われ
隠者にはからかわれ、意味をわかっていない悪魔はホモホモと言われ続け、レデ
ィには冷たい目で見られたという。

誤解が解けるまで2週間かかった…

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