絶チル

□素直になれない
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「紫穂ちゃん」

「なにかようセンセイ」

素っ気なく返す

センセイはつれねーなと笑顔を崩さない

呼び止められた理由は解る

だって今日は…



「誕生日おめでとう、紫穂ちゃん」


私の誕生日


「とりあえず受け取っとくわ」
そう言って私はプレゼント包装された包みを受け取っとった

ピンクの包装紙に赤いリボン

女の子には有りがちな組み合わせだ





「なんだ?嬉しくないのかよー」





せっかく選んでやったのにーと、口を尖らせる

別にプレゼント下さいなんていってない

私は…



「皆本や薫ちゃん、葵ちゃんから貰えれば満足かってか?」



今思った事を当てられてセンセイの顔を凝視してしまった



「別に透てねぇって顔に書いてあんだよ」



笑いながら私の頭を撫でる

その余裕の態度が気に入らない

私はセンセイの手を払った

子供扱いしないでよ



「別に女性に対して子供っぽい包装に呆れてただけよ」



そう言うとセンセイはそうかそうかとまた頭を撫でてきた

だから子供扱いしないでよ

センセイの手を払いくるっと向きを変えた

これ以上センセイといなくない

去り際に私は



「プレゼントありがとう」



棒読みに言った言葉

だけどセンセイは嬉しそうに笑った

私は早歩きでその場をさった

頬が熱いきっと赤くなっている



















本当は嬉しかったなんて絶対言わない

 

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