伝線は存在の証

□いわゆるひとつの正義としてのシスター服
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「ですから、ユキさんがケモノと呼ばれるあれらモンスターは、僕やユキさんのように超能力を持った者にしか見えないし、危害も加えられないはずなんです」
繁華街のファーストフード店、私と三砂緒、そして転入生のイワノフは四人用の席に腰かけていた。
あの後、道端では落ち着かないということで、話をするためにこの店に入ったのだ。

「三砂緒さんは、本当に超能力がないんですか? そのオッドアイには何か……」
イワノフは三砂緒のオッドアイが気になるようだ。
「この目はただの色ちがいだよ。超能力って、さっきの空中に浮かぶ剣とか、あーゆーの? あたし、あんなの使えたことないよ」
三砂緒がストローを唇で弄ぶ。
「ていうかさ、あの変なモンスターだって見たのは今日がはじめてだし。あたし、対抗手段無いし」声が段々と弱々しくなっていく。「あたし……食い殺されるのかな? そんな死にかた、やだよ」
震える指先から、恐れと不安がにじみ出るようだ。
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