伝線は存在の証

□数える者
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三砂緒がバイトをクビになって数日後の放課後、私とイワノフは旧校舎へと連れていかれた。
旧校舎はじめじめとしていた。
窓から日の光がほとんど入ってこない。蛍光灯は点灯している物のほうが少なかった。おかげで、直線状の廊下であるにもかかわらず見通しが悪い。
廊下の隅にはもれなく埃が溜まっており、どちらを向いても埃臭い。
良い環境とは言えなかった。普段はまったく使われていないので、管理が行き届いてないのは仕方ないのかもしれないが。

「こんな薄暗く、ひと気のないところで何をするんですか?」イワノフが尋ねた。「3pですか?」
「にしし〜。実はね、二人に見せたい物があってね……。驚くと思うよ〜」三砂緒はイワノフを無視した。
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