Did you sleep well?
□起死回生
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「ん?ベジータ、どうしたんだ?」
「父さん、まだ起きてたの?」
「あぁ、少し仕事を持ち帰っていてね。…眠れないのか?」
「目が冴えちゃって」
「そうか。何か温かいものでも飲むか?ココアぐらいなら、父さんでも作れるぞ」
「ハハッ、いいよ。少しその辺散歩してくる」
「大丈夫か?こんな時間に」
「平気だよ。そんなに遠くまで行かないし、俺だって男なんだから」
「ハハッ、それは頼もしいな。でも気を付けるんだよ」
「うん」
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あれから布団の中で寝ようと努力はしたが、結局目は冴えたままだった。
母親はもう既に休んでいて、仕事を片付けていた父親と少し会話を交わすと外へ出る。
まだ肌寒さを感じるこの季節に、少しだけ身体を震わせた。
取り敢えず町内を一周してみよう。
距離的にも時間的にも丁度いい。
そう思い、空に浮かぶ満月を眺めながらとある公園を通り過ぎようとした時だった。
「ベジータ?」
不意に暗闇から声を掛けられる。
少々警戒しながら振り返ると、そこには昼間漸く見付け出した一人が居た。