Did you sleep well?
□本日は晴天也
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とてつもなく長い間、記憶の中を泳いでいた。
どれ程の時間だったかは分からない。
が、それでも何処と無く心地好く、うっかりしたら溺れてしまいそうな。
そんな時間だった。
(もう此処に居るのは飽きたな)
(そうか。それでは、お前の準備も始めるとしよう。何か希望はあるか?心を入れ替え、地球を救ってきたのだ。それなりの待遇はしてやろう)
(………………償いがしたい)
(償い?)
(半世紀、俺は地球人として生きてきた)
(………………)
(もう一度、一から地球人として生きる。それが、俺の償いだ)
(…いいだろう。ならばもう一つ、お前に試練をやろう。なぁに案ずるな。知り合いも何人かそちらへやろう。お前と同じ者を一人、そしてもう一人)
(………………?)
(さぁて、これから忙しくなるぞ)
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―――――……嗚呼、温かい。
耳に聞こえてくるのは、何処か懐かしい波の音。
しかし窮屈だ。
此処は一体何処だろう。
生憎目の前は暗く、何も見えやしない。
早く此処から出なければ。