Did you sleep well?
□本日は晴天也
4ページ/8ページ
「うわぁ、背高いねー!今何p?」
「今、192pです」
「やだなぁ、一年初っぱなから生徒に見下ろされんの…辛い!」
笑い声に包まれる教室で、俺は不思議な気持ちになっていた。
俺は記憶がある為、恐らく今目に見ているピッコロは嘗てのあのピッコロなのだろうという自信があった。
しかし、向こうに記憶があるのかは俺にも分からない。
「はーい、有難うね!じゃあ次の人!」
「………ベジータです。趣味は音楽鑑賞。宜しくお願いします」
俺の自己紹介に、奴は振り返る事はなかった。
「はい、じゃあ明日から本格的に授業始まるからね!分からない事は積極的に聞いて、楽しい高校生活を送りましょう!」
初日のホームルームが終わり、後は帰るだけだ。
担任の解散の声を境に、其々が親の元へと散っていく。
その生徒達の波を横目で見ながら、俺は奴の姿を自然に探していた。
すると奴は親らしき人物に断りを入れた後、徐に教室を出て行く。
何処へ行く気だ?
「ベジータ、帰りましょうか。お父さんも今日は仕事切り上げて来るって言っていたから。食事に行きましょ」
「う、うん…。……母さん、先に下に降りててくれないかな。俺も直ぐに行くから」
「どうしたの?」
「ちょっとね」