Dream ]V

□幸せの理由が僕でありたいなんて
1ページ/8ページ



「18号ー!!」


「………またあんたかい」


「へへっ!」


あの戦いから、もう随分経った。
この世に存在する理由を探してみて、改めて実感する。


(アタシは中身が空っぽの人形だ)


それ以上でもそれ以下でもなくて、世界の眩しさに目が眩む。
身を寄せる場所もなく、只宛もなく空を横切ってみる日々。
そんな詰まらない日常の中には、いつの間にかもう一つ影が増えていた。
確かこいつは、……あぁそうだ。
アタシ達姉弟の中にあった、あの大きな塊を取り除いたお人好し。
毎日毎日懲りもせず、アタシの姿を見付けるとヘラヘラ笑って付いてきた。


「今日は何処へ行くんだ?」


「………………」


「そう言えば、今日西の都でお祭りがあるらしいんだけど、良かったら一緒に行かないか?」


「………………」


「何なら、17号も誘ってさ!」


「…つくづくお人好しだね。アタシは一人でいるのが好きなんだ。どっかへ失せな」


「…そっか!邪魔して悪かったな、18号!またな!」



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ