Dream ]V

□すきになってごめんね
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「そない泣かんでもええやろ薫」


「アホ!そんなん泣くに決まっとるやんか!」


差し込む陽射しはなく、この季節独特のグレーに染まる空が窓から見えた。
流石にあの時は肝を冷やしたぜ。
そう言いながら、とある男と行動を共にしていた元刑事が特別に用意してくれた病室。
二日振りに意識を取り戻しベッドに伏している男二人の傍らには、各々思いをぶつける女が二人。


「どんだけ心配掛けたら気が済むん!」


「あぁ、兄ちゃんが悪かった。堪忍や」


「おじさん、傷痛む?」


「いや、大丈夫だ。…遥にも随分心配掛けちまったなぁ」


見た目には屈強に映る男達も、どうやら女二人には敵わないらしい。
ふと反らした視線の先で目が合うと、それまでの死線を思い返すようにふと笑みを漏らした。


「あ、そろそろ行かなきゃ」


「大阪帰るんか?」


「うん。ずっと居りたいけど、今回の後始末やらせんとあかんからね。一馬、遥ちゃん伊達さんのとこまで送ってくわ」


「あぁ、済まない」


「おじさん、早く元気になってね。龍司さんも」


「おおきに、嬢ちゃん」



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