Dream ]V
□すきになってごめんね
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じゃあね、と一言残し二つの影が名残惜しげに病室を後にする。
それから直ぐだった。
窓際のベッドに伏していた男が、金色の髪を掻き上げながら隣の男に話を促す。
「煙草、付き合うてくれへんか」
「は?…お前な、俺達は一応身体に穴空いてんだぞ」
「そんなん今更や。元々大した傷ちゃうしな」
「ったく、今の言葉薫に聞かせてやりたいぜ」
性根悪いわ、桐生はん。
そう悪態を吐きながらもベッドから抜け出し、何やかんやと言いながら満更でもない男を連れて男達は病室を後にした。
屋上へと歩を進めていく廊下の窓から、先程まで止んでいた雪が降り始めているのが目に入る。
ごっつ寒そうや。
そう言う金色の髪の男にそうだなと相槌を打ち、不自然に質量を持たないその男の右腕を庇うように先へと進んだ。
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「さっぶ」
「当たり前だろ、冬なんだから」
「可愛げのないやっちゃな」