Dream ]V
□キス一回で許してやる
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「暑ーっ」
「暑いな、確かに」
「誰の所為や思てんねん」
「お前の体温は高いな。まるでマメみてぇだ」
「ワンワン!…ってお前マジでシバいたろかごら」
暑い。
めちゃめちゃ暑い。
あれから桐生は離してくれへんし、ワシは桐生の盾になっとる形で直射日光絶賛当たり中や。
只でさえ色黒なんが焦げてまうわ。
一昔前に流行った、ガングロっちゅうやつになったらどないすんねん。
「なぁー、いい加減離してくれへんか」
「嫌だ」
「嫌だとほざきよったでこのおっさん」
「本当は内心嬉しいとか思ってるツンデレってやつだな。流行りに乗ってるじゃねぇか」
「………あかん、頭痛うなってきた」
「薬あるぞ」
「だあっとれアホ」
呆れるん通り越して、此処まできたら逆に清々しいわ。
こんままじゃほんまに溶けてまう。
腰に回されとる腕を解こ思て手を掛けたら、背中を頭で小突かれた。
めっちゃ腹立つ。