マリオ長編

□スーパーペーパールイージ(第一章)
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「ジ・・・イー・・・ジ、ルイージ!」

老人の声で、ルイージは目を覚ました。

「んっふっふ〜、ようやくお目覚めかい?」

次にディメーンの声が聞こえ、ルイージは慌てて身を起こした。

「ディメーン!さっきはよくも・・」
「周りを見てみなよ。僕は、ワープしただけさ♪」

言われるがままにあたりを見渡す。

そこにあったのは、見覚えのある部屋と、白い古書。
そして、白い髭をたくわえた青い服の老人だった。

「・・・デアール・・・さん?」
「うむ。」

古代の民の末裔、デアール。
黒の預言書に抗うすべとして、白の預言書を研究していた老人であった。

「ディメーンにおぬしを連れてくるように頼んだのであ〜る。
・・・多少、手段に問題があったようであ〜るが。」

横目でディメーンをにらむデアール。
当のディメーンは、われ関せずといった様子で白の預言書を閉じたり開いたりしていた。

「さて、ルイージよ。」

突然、デアールの口調が変わる。
びくっとしたルイージに、彼の指が向けられた。

「今回は、おぬしに重大な用があるのであ〜る!」

指名されたルイージは、一瞬たじろいだ。
何しろ、何もわからないうちに誘拐に近い形でつれてこられ、
突然重大な用があるといわれているのだ。

それに、なぜ兄ではなく自分なのかということも疑問だった。

「・・・やはり、何も説明せずにつれてきおったな・・。
ディメーン!『続刊』を読むであ〜る!」
「はいはい、わかってるよ〜」

ディメーンはさっきまでいじっていた白の預言書から手を離すと、白の預言書の横に置かれていたもう一冊の本を手に取る。
その本は、白の預言書によく似ていた。

「じゃあ読むよ?」
「早くするであ〜る!」

はあとため息を吐き、手に取った本を開く。

「・・・・封印の預言書の予言違えし時。
預言書を記し予言者、姿を現さん。
預言者、影を背負いし者たちとともに世界を終焉へと導くであろう。
されど、希望はありけり。
緑の衣を纏いし男と、かつて混沌を操りし道化師。
この二人が再び出会いしとき、予言は・・」

ディメーンはそこまで読むと、本を閉じた。

「その続きは?」

続きが気になったルイージが、ディメーンに訊ねる。

「残念ながら、まだここまでしか解読できておらんのであ〜る。
この『続刊』は強力な魔力で守られておるのであ〜る・・・」

少々面目なさげに、デアールがつぶやく。

「とにかく、こうして『続刊』に記されしおぬしたちが居るのであ〜る。
一度しか言わん。よく聞いておくであ〜る!
黒の預言書の予言が外れたとき、預言者がじきじきに世界を滅ぼすと『続刊』には記されておる!
予言を書いた預言者じゃ。
ほうっておけば間違いなく世界は消えてしまう。
ワシはここで『続刊』の解読に取り組まねばならん。
『続刊』に記されし、おぬしたち二人で、世界の崩壊をとめてくれ!」
「柄にもないけど、世界が滅びちゃったら僕が征服できなくなるしね」

嘯くディメーン。
だが、彼にもうそんな力がないことは、本人が誰よりも知っていた。
この言葉はただの口実だろう。

「さて、ルイージよ!そして・・・ディメーン!
世界を守るという重任を背負ったおぬしらに、ワシから渡すものがあ〜る!」

デアールは、机の上におかれていた一枚の羊皮紙をルイージに渡した。

「この紙は、ワシが三日三晩寝ないで作り上げた魔法の地図。
おぬしたちが行くべき場所を正確に示すスグレモノであ〜る!
地図を見て、進むであ〜る!」

「はい!」
「ウィ ムッシュ・デアール♪」

この瞬間。
二人の長いたびは始まった。
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