マリオ短編

□カタルシス(ディメーン+マリオ)
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「ディメーン様、何なりとご命令を…」

機械のように冷たい声だった。
それが、双葉に寄生されたルイージの口から発せられていると、マリオが理解するのには多少の時間を要した。

「んっふっふ…」

不気味で気色悪い含み笑いをこぼし、眼前の道化は両腕を掲げる。

掲げた両腕に支えられ、禍々しい光を放つ漆黒の物質が輝いた。

「混沌のラブパワー…!」

マリオの握り締めた拳に力がこもる。
最も憎むべき者の手に、最も憎むべき物。

そして、最も愛すべき、弟さえ奪われた。

絶え間なくこみ上げてくる怒りと憎悪のせいで、マリオは正気を保つのに必死だった。

「ルイージ!目を覚ませ!」

喉が潰れるかと思う程の声量で、マリオが叫んだ。
しかし、双葉に寄生されたルイージにその声は届かない。

「んっふっふ。ルイルイくんには、僕の声しか聞こえないのさ。
君がいくら叫んだ所で、無駄なんだよ」

ディメーンは、不気味に笑うと、掲げた両腕に力を集めた。

混沌のラブパワーが輝きを増し、禍々しい光が辺りを支配する。

「さあ、おいで…、ルイージ!」

虚ろな目を浮かべたまま、ルイージはディメーンのもとへ歩き始める。

「待て!ルイージ、行くなーっ!」
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