記念・企画Novel

◇黄♀黒◇
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「黒子っち、誕生日おめでと!!」
「ありがとうございます」

今日は黒子の誕生日。
お互い部活があったが、それを終わらせこうして黄瀬の部屋でささやかながらパーティーをしているのだ。
初めは誠凛バスケ部の面々もパーティーをするはずだったのだが、そこは気を利かせて当日は空けてくれたようだ。

プレゼントも渡した、豪勢な食事…とはいかなかったが、ご飯も食べた。ケーキも今食べている。
なのに、黒子はどこか元気がない。


「黒子っち?どしたの?…なんか、元気ないよ?」
「…なんでもないです」
「なんでもなくないっス!言って?…それとも、そんなに頼んない?オレ」


フルフルと首を横に振り、否定する。
すると決心したのか、黒子が近寄ってきた。

「黄瀬、くん…」

黄瀬の服の裾をギュッと握り、俯く黒子。
…心なしか、水色の綺麗な髪の隙間から覗く耳が紅く染まっている気がする。

「黒子っち…?ど、どうしたんスか?」

普段、凛としている彼女からは見られない珍しい仕種に…バクバクと、黄瀬の心臓は暴れ回る。


(あぁああぁぁあっ!!鎮まれオレのチキンハートっ!オレのヘタレっ!!)


「…な、んで…ぇ…、しないんですか?」
「………………へ?」



いま、なんてった?


「黒子っち…?今、何て…」
「っ、なんで、…ぇっち、しないんですか?」
「ブハァッ!!」


き、聞き間違いじゃなかったっスぅううう!!!!


「く、くくくく黒子っち!!!?な、なななななんでそんな急にっ!!」
「急じゃありませんっ!!ずっと…思ってましたっ。部屋で二人きりでも何もなくてっ……ボク、魅力ないですか?ボクじゃ、黄瀬く…出来ませんか…?」
「……黒子っち」
「はしたないって思われるかもしれないですけど……思春期なのは…男の子だけじゃ、ないですっ」

両手で顔を隠し、ついに泣き出してしまった彼女。

指の隙間から零れ落ちる涙が…
不謹慎かもしれないけど
とってもキレイだった―…


「(あ゛ぁーもぉーー!!!!
折角ガマンしてたのに!!
嫌われたくないから必死に我慢して我慢してガマンしてたのにっ!!!)


…っ黒子っち!!」



ガバッ…


黒子を後ろのベッドに押し倒す。
長い髪が白いシーツに流れて…川みたいだ。


「…ホントに、いいの?」
「………黄瀬くんになら、平気です。今日、ボクの誕生日ですよね?なら、言う事きいてくれますよね」

スゥ…と息を吸う。
ハー…と息を吐く。

呼吸を整えて…


「…ボクの、ハジメテを、貰ってください…」


小さな小さな声だったけれど、確かに聴こえた。


(ブチッ)


その瞬間…
自分の理性が切れる音を、

黄瀬は確かに、聞いた…。







黒子のブラウスのボタンを外し、そっとはだけさせる。
彼女らしい派手過ぎず、かといって地味でもない、可愛らしい下着を外すと、大きいとは言えないが形の良い双丘が目に入る。

「キレイっス…」

無意識に口から零れた言葉に黒子は少し遠くを見ながら「…恥ずかしいです」と小さくもらした。

「さ、触るっスね…」
「は、い…」

キュッと眼を瞑り、未知なる感覚に堪える黒子。


そっと双丘に手を這わすと黒子のほっそりとした手が重なる。

「あったかいです…黄瀬くんの手…」
「うん…黒子っちも、あったかいよ」


ゆっくり…ゆっくり……
柔らかなそれの形を変えるように触れる。
「あっ、あっ」とか細い声を上げながら快楽に流されまいと、必死にシーツを掴む。

(…流されちゃえばいいのに)

次第に主張してきた淡いピンクの頂きを指で弾く。

「あぁんっ」
「…黒子っち」


黄瀬は黒子のスカートに手を掛ける。
そしたらハッとしたように黒子が腕を掴み抵抗する。


「黒子っち…だめ?」
「…だ、めじゃないです…けど、恥ずかしいです」
「…オレは、黒子っちの全部が知りたい」
「……。」
「…お願い、黒子っち」
「……。」


掴まれていた手が解放され、黒子はまたシーツを掴む。

「…痛く、しないでください…ね?」
「うん…努力するっス」


スカートを脱がし、ショーツの上からソコに触れ、中心部で指をゆっくり動かす。


「あっ!や…だ……だ、め……」


黒子の頬が紅くなってきた。
あらわになった双丘とピンッと勃つ紅い実が、彼女が感じている事を表していた。

生まれたこの日に…彼女はまた新しく生まれ変わる。

少女から女性へと…

そしてそれをさせるのが自分なのだという喜びが、黄瀬に快楽を与える。


腰を少し上げさせ、その隙にショーツを下ろし膝から抜き去る。
人差し指で直に触れてみると、緊張からかソコは未だ濡れていなかった。

少し考えてから黄瀬は、彼女の膝を割り開き秘所をあらわにする。


「きゃあっ!やっ…き、せくっ…」


黒子は手足をジタバタさせるが、そんな抵抗なんのその。
すぐに取り押さえられる。

「キレイっス…」

誰にも汚された事のない、誰も知らない…黒子本人でさえよく解っていない箇所が眼前に晒される。
まだ堅く閉ざされた入口を解そうと、黄瀬は秘めやかなそこに口付けた。

「ひっ、ぁ…」

黒子の跳ね上がる腰を押さえ、舌を這わす。

櫻貝のような小さな肉芽を撫で、包皮を優しく剥き顔を出させてやる。

入口でクニクニと舌を動かしていると、次第に唾液とは違う…トロッとした液がナカから垂れてくる。

「ぁ、ぅくっ…」
「黒子っち…濡れてきたっスよ」
「やぁっ、言わな…で下さ…」
「恥ずかしい事じゃないよ。感じてくれてる証拠っス……オレ、嬉しいっスよ」

だんだんと零れてくる蜜が増えてくる。
黄瀬は今度こそ、と人差し指をナカへ挿入する。

「ひっ!…ぁ、」

すんなり…とは当然いかないが、なんとか入れる事が出来た。
指をクイクイと動かし、ナカを解していく。

「あっあっ、あぁん!ふぁっ…」


黒子の喘ぎと、クチュクチュという淫音が二人の聴覚を犯す。
指を引き抜き、彼女の愛液に濡れたそれを舐める。
どれだけの時間を費やしたのだろうか…。
黄瀬の指がふやける頃まで愛撫され、黒子もソコも蕩けきっていた。

「ハァハァ…」

十分過ぎる程に解かされたソコはパクパクと口を開け次にくる刺激を本能のままに待ち侘びている。

…それは、雄もかわらない。

「黒子っち…イイ?オレ、我慢できそうにない…」
「は、い…」


黄瀬が上半身裸になり、下も脱ごうとした所で黒子はある事に気が付く。

「あ、…ゴ、ムどうしましょう」

ムードもへったくれもないが、女にとっては(いや男もだが)重要な事だ。
…少なくとも学生の身分の内は…避妊しなくてはならない。


「……用意してあるって言ったら…ヒく?」
「!」

ベッド横のテーブルの引き出しから箱を取り出す。

「え、っと…い、いつかの為に…ね」
「……。」

ちょっと恥ずかしそうに答える黄瀬に、黒子は愛しさを覚える。

「(こんなにも真剣に考えてくれている…ボクとの、関係を……)


黄瀬くん。」
「は、はいっス!」
「…ボク、黄瀬くんの事…信じてますから…」
「!」
「…優しくシてください、ね?」
「っも、もちろんっス!!」


黄瀬は黒子を驚かさないように手早く前を寛げ、避妊具を装着させると仰向けに横たわる彼女に覆いかぶさる。

ふるふると黒子の体が小さく震えているのが伝わってくる。
「信じてます」とは言ってくれたが、やはり怖いのだろう。
いや、当然怖いに決まっている。
それでも、黄瀬の全てを受け入れようとしてくれている。
黄瀬にはそれがとても愛おしかった。

黄瀬はすっかり勃ち上がり熱く脈打つ自身を、蜜を零すソコへ宛がう。

「っ」

硬いソレが触れた時、黒子が息をのみ、シーツをギュッと握る。
それを見てももう、黄瀬は止まれなかった。

「…力、抜いててね」

シーツを握る手を解き、自分の指を絡ませると、ゆっくり…黄瀬は彼女のナカに身を沈めた。

「あっ、ぅぐ…」
「くっ」

解したにも関わらずナカは狭かった。
初めて侵入する異物を阻むように。
それでもその締め付けに抗いながら奥へと進む。
温かな媚肉に包まれていく。
その度に黒子が唇をキツク噛む。
そうしなければ「痛い」と言ってしまいそうで…。

「黒子っち、っ唇切れちゃう、スよ」

黄瀬は黒子の唇に自分のソレを重ね、深く口づける事で噛むのを止めさせる。

「ふ、んっ…あっ、平気ですっ…黄瀬く、つらく、ないですか?動いてイ、ですよ、痛、くありませ…からっ」

痛くないわけがない。
入れる側の黄瀬でさえ少し痛いのに…。

(でも…)

気丈な彼女の気持ちに応えるため、黄瀬は深くまで腰を進める。
途中、何かを突き破る感覚がして、二人はひとつになった…。

「…黒子っち、動くよ?」
「…ん、はい」

黒子にとったら苦痛でしかないかもしれないが、なるべく負担が掛からないよう、ゆっくりと律動を開始した。

緩やかな腰の動きに、黒子も自然と動きを合わせてくる。
「あっ、ぁっ、ぼ、く…はしたな、いっですっ…」
「んっ、なんで?」
「だ、って…は、じめてなのにっ、あっ!ん…“痛い”より、“キ、モチイイ”って…思っ、ちゃ…ぁう、…“嬉し、い”ってぇ…あんっ」
「〜〜っ黒子っちぃ!!」

優しくしようって思ってたのに…黒子っちのばかぁー!!
彼女の言葉に、オレ自身がナカで体積を増すのが解る。

「ひぁっ、やっ、」
「黒子っち、ごめっ、キモチ良すぎて、イっちゃいそっ」
「んぁっ、あっ、ハ、イ…イイですよっ、黄、瀬く…イッてくださ、あぁん」
「ぅ、くろこっ…!!」
「ふぁ、あぁああんっ!!」

最奥を突き、黄瀬の熱が弾ける。
黒子も、ビクビクと痙攣させながら、初めての絶頂を迎えた―…







自分のはさっさと済ませ、気を失ってしまった黒子の事後処理を丁寧にする。
清めた後は同じベッドに横になりシーツに包まる。
黒子の家には“泊まる”と連絡済みだから問題ない。
触れ合う素肌同士が心地好い。
また反応してしまう正直な分身を叱咤し、黒子を抱きしめる。

無理をさせた、と思う。
それでも最後まで自分を受け入れてくれた。
大切なものを捧げてくれた…。

(なんか…オレがプレゼント貰った気分っス)


『自分がこの子を護る。何からも。どんな事からも。』

告白した時にそう誓った。
ならば、それを今日この日にもう一度誓おう。


(絶対…護るから)


だって彼女は……




最愛のヒト




――誕生日おめでとう。黒子っち…



眠りに落ちる前に
彼女の唇に一つキスを落とした




〜終〜


2010.1.31.日



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