記念・企画Novel

□【ガンバレ女の子!】
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終業式を終え、今日ばかりは部活も休み。
だったのだが、「折角のクリスマスなんだし、明日部室ででもパーティーしましょっ」というカントクの言葉により、バスケ部員は部室にてささやかながらクリスマスパーティーをしていた。


「わーい!水戸部のケーキっ!ケーキっ!!」
「コガはホント子供みたいだな」
「スゴイ…。お店で売ってるやつみたいです。水戸部先輩の手作りなんですか?」
「……。(コクリ)」
「へー器用だな!です!!サンタのってるし」
「……。(フルフル)」
「あ、それはさすがに買ったやつだってさ」
「あ、だよな。です。」
「…火神君、来年の目標は『きれいな敬語を話す』にして下さい」
「んだと!?」
「はいはい、そこ騒ぐなー!でね、今年は1年生も入ったし、水戸部君が作ってきてくれたケーキだけじゃ足りないと思って、私も作ってきたわ!!」

「「「「「「…え?」」」」」」

部室内が沈黙に包まれる。
いや、だって今カントク…なんつった?

『私も作ってきたわ!!』

『私も作って……』

『私』?


「(カ、



カントクの手作りー!!?)」


何故こんなにもカントク作のケーキが恐れられるのか…?


理由は簡単。


カントクは料理がそんなに…いや、中々に得意じゃないからだ。


「じゃーん!!昨日の夜ガンバって作った力作よ!」
「……これが?」
「……;;(オロオロ)」
「ぇ、あ、そう…なんだ」



カントクが自作のケーキを机に乗せ、「じゃーん!」と掛け声と共に箱のフタを開ける。
そこから現れた物体……いや、ケーキに一同は衝撃を受けた。


「こんなんケーキって呼ばねーよ!なんだコレ!?何でケーキが紫色なんだよ!」
「ただ単に牛乳だけじゃつまんないと思ったから、紫の野菜ジュースと牛乳を生地に混ぜたのよ」
「なんで入れちまったんだよです、そんなもん!」
「たまたま家にあったから」
「何その理由!!」
「…んじゃあ、この上の茶色いのはココアパウダー?」
「いいえ、最初はココアパウダーにしようと思ったんだけど、野菜ジュースとココアの組み合わせは私的に微妙だったから、ウチにあった焙じ茶の葉を擂って振り掛けたの」
「焙じ茶ぁ!!?」
「絶対にそっちの方が間違ってるよ!」
「余計に手の込んだ事しないでっ」
「ちょっと小金井君!余計とは何よ、余計とは!!」
「ゃ、だって!」
「お前のケーキが如何に間違ってるか水戸部のと比べて見てみろ!」

ドンッ…という事で、水戸部作のケーキの横にカントク作のケーキを置く日向。


「おー…」
「これが水戸部との差…か」
「まぁ、レモンのハチミツ漬けでまるごと漬けちゃう子だもんね、カントク」
「にしても、これはねーだろ、です」
「〜〜っなによ!これでも一生懸命作ったんだからねっ」
「……;;(オロオロ)」

折角作ってきたケーキを部員に否定されて若干涙目のカントク。




そんな時だった―…




「しょーがないなー…でもこのまま捨てちゃうのは勿体ないから……降旗、食べたげて」

伊月が突然言い出した。


「へ!!?ちょ、なんでオレなんですか!?」
「……たまたま近くにいたから…かな?」
「そんな理由!?」
「頑張って下さい、降旗君。…また生きて会いましょう」
「お前の事は忘れねーからな」
「おい火神、黒子!なんで二度と会えないみたいな感じになってんだよ!?」
「さぁ降旗、一思いに!!」

「〜〜っ」

他にも言いたい事は山ほどあれど、先輩達に抑えられて覚悟を決めるしかない降旗。
意を決してケーキを口に運び、そして……

パクリ。


「(おぉ、食った!勇者だ。偉いぞ降旗!!)」
「(……。(ハラハラ))」
「(なんか固まってるけど…大丈夫か?)」
「ふ、降旗、くん?」

「う、」


「「「「「「う?」」」」」」


「美味いっスよ、これ!普通に」

「「「「「「えー!!!?」」」」」」

「う、嘘だろ?お前味覚大丈夫か?」
「失礼だけど、ちゃんと家で飯食ってる?」
「ちょっとそれどーいう意味よ!?」
「や、本当に美味いっスよ。見た目は悪いけど、普通に食べられます。カントク、料理普通に出来るじゃないっスか!!」


“美味しい”


と、そう笑う一つ年下の彼…。
その顔がとても――…


「み、」
「ん?どーしたカントク?」

「み、





『見た目は悪い』って一言余計なのよぉおお!!」


ベシャッ!


「ぶっ!」
「……!;;」
「ふ、降旗ぁぁあ!!」
「大丈夫かー!?」
「ちょ、カントクっ何ケーキぶん投げて」
「降旗の顔がクリーム塗れに…」
「フル旗の頭にフルーツが降る!キタコレ!!」
「るっさい!!もぉ〜〜!私トイレ行ってくるっ」
「あ、カントク!」



部室を飛び出し、廊下を足早に進む。


なによ なによ なんなのよ!!!

「(ベンチのくせに!
まだまだぺーぺーのくせに!)」


なによ なによ なによ なんなのよ!!!!

「(『カッコよく見えた』なんて認めないんだから!)」


なによ なによ なによ なによ なんなのよ!!!!!


「(何でこんなに心臓うるさいのよ〜っ!!?)」




◆◆◆




それはね、リコちゃん

サンタさんから『恋』という名のプレゼントさ☆(黙)


あぁあああ゛!!
まだ書こうと思ってんのが大分あるのに、予定にないの書いちゃったよ!
しかも正かの降リコ!
何を隠そう私、降旗くん好きです。
需要供給?ナニソレ食べ物?(…。)


書ききれるだろうか…?

……多分無理だな(死)
ダメな奴ですみません;;

ところで、降旗君が(フリハタ君)になったため、ギャグの部分が悲しいことに(泣)


2009.12.26.土 作成
2010.1.18.月 移転


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