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□何度も言わせないで
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ふ、今日は珍しくスコーピウスが「父上、欲しいものがあるのですが…」と
いつもなら自分のお小遣で賄う息子なのだが久々というか初めてねだってきた。
ぶっちゃけ、凄い嬉しいです、はい。
しかし、何が欲しいのかと聞くと黙ってしまう。何期なのかよくわかりません。
「父上は女性に何か贈り物をしたことはありますか?」
「え?あーどうだろうな…」
「ないんですか?あ、母上意外にですよ」
「ないな。自分の母親にならあるがそれ以外の女性には…」
「父上って学生時代はマザコンだったんですね」
「マザコンじゃない!母親が僕を可愛がっていただけだ」
「(あれ、それって単なる親バカじゃあ…)」
「いきなり、どうしたんだスコーピウス」
「いえ…、贈り物をしたくて…大切な女性に」
大切な女性…、もしかしたらスコーピウスは自分の母親に贈り物をしたいのか?そうなのか?スコーピウス?
だから、妻じゃなくて僕を誘ってちょっと照れ臭い子供みたいな顔をして父親の隣を歩くのか?
なんていい息子だスコーピウス!
「そうだな。花なんていいんじゃないか?」
「花?」
「ああ、花だ。花を女性に贈るのは昔からの文化でもあり、習慣でもある。」
「父上は物知りですね」
「勿論だ。誕生日なんかに花を贈る時は歳の数だけ贈ると更にいいらしいが母上にはちょっと…ってあれ?スコーピウス?」
すると、スコーピウスは近くの花屋にいました。
「父上、父上。買って欲しいものが決まりました」
「ほう、何を買うんだ?」
「薔薇の花束です。今、包んで貰って枯れない呪文をかけてもらっているところです」
「薔薇?少し、目立つんじゃないか?」
「いいんですよ。歳の数だけ包まないと意味ないですから」
「母上の誕生日はまだだろう?」
「母上にじゃないですよ」
え?
「ローズにです。ローズ・ウィーズリーにですよ」
まるで僕には悪魔の囁きのように聞こえた。
あれ程、言ったのに…僕の息子は妥協しない子でした。
(ああ、明日が楽しみだなぁ)(そうですね)(ローズ、喜んでくれるといいなぁ)(そうですね)(あ、父上?お会計よろしくお願いします)(いいともー)
ドラコぱぱの苦悩はまだまだ続く
20110805