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□女子会
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ある日の休日。スリザリン談話室でのある一角のお話である。
そこには、ブラック三姉妹が紅茶とお菓子を囲んで何やら話をしていた。
「最近、面白い事がないのはうちの寮の奴が軟弱だからなのよ」
「な、軟弱は関係あるのかな…?」
「お黙り、ドロメダ!」
「私も軟弱は関係ないと思うわ。」
「そうね、軟弱は関係ないわ。」
ベラ様は、比較的ナルシッサの言葉を正論として受け付けますが
アンドロメダが嫌いなわけではなく、いじめるのが大好きなのです。
「ここの学校にいい男はいないもんかねぇーったく」
話は、男の話題になりました。
「アンは誰かいいなって思う男はいるのかい?言ってみなさいよ」
「え、あ、えっと…シリウス…君かな」
「はあ?シリウス?」
「シリウスってあのシリウス・ブラック?」
二人は、有り得ないとばかりに眉を歪める。
アンドロメダ本人は、何がマズイのかと焦るばかりだ。
「シリウスねぇ、私は嫌い。腹立つもん」
「私も好きじゃないわ。煩いし、気品がないし、それに」
ベラトリックスとナルシッサは声を揃えた。
『グリフィンドールだもん』
アンドロメダもその答えが来るのを予想していたようだ。
「で、でもね…もし、シリウス君がスリザリンだったらどうかな?」
「アイツがスリザリン…」
「私はそれでも変わらないわ」
「シシー…ベラお姉さんはどうかな?」
ベラトリックスの頭の中では緑のローブを来たシリウスが自分と仲良く悪さしたりマグル吊したりしている映像が流れた。
ベラトリックスは、それを慌てて振り払う。
「ない!絶対、有り得ない!それなら、弟の方がマシだわ」
「レギュラスね…。私もレギュラスはいい子だと思うわ」
「…私は、嫌われているのか愛想が良くなくて…苦手」
アンドロメダは、レギュラスが自分だけに素っ気ないと思い込んでいるようだが
レギュラスは、基本愛想がよくない人種である。
しかし、誰もそれを言わないのはアンドロメダをいじめるのが好きだからである。
「愛想の問題ならセブルス・スネイプよ。あのくそガキちょっと頭が賢いからって私の揚げ足ばかり取るんだもの。吊してやったわ」
「それは酷い」
「あの子は、別格よ。何でもグリフィンドールに好きな子がいるらしいわ」
「よし、今度は全裸に向いてグリフィンドールの前に吊してやるわ」
「同じ寮なのにあんまりだわ…」
アンドロメダは、セブルス・スネイプという見ず知らずの男の子に同情した。
因みにその頃、セブルス氏は犬や雄鹿に吊されている真っ最中でした。
「あとは、うちの寮で誰いたかしら…そんないい男はあんまり」
「ルシウス・マルフォイ」
「シシー、今ルシウスさんって言ったの?」
「そうよ。何か問題でも?アン姉さん」
聞き返しただけなのにこのにこやか笑顔の奥に張り詰めた黒いオーラ。怖いです。
アンドロメダ、怯えております。
「へぇ、ナルシッサってああいうのが好みなんだ?」
「好みというか…」
ナルシッサは、もどかしく言った。
「この間、結婚を前提にお付き合いしてくれって言われたの」
お姉様ズ初耳過ぎて目が点になっております。
「え、す、凄いねシシー!ルシウスさんなら家柄もいいからお母様もきっと喜んで」
「お母様が許しても私が許すわけねぇだろばかちんが!あの薄らハゲこのやろーこのお姉様に断りもなくナルシッサを口説きやがってそのキューティクルな髪の毛抜いてやろうか坊ちゃまがぁぁぁぁあ」
ベラトリックス姉様が荒れています。
きっと、セブルス氏の横に同じくルシウス氏が吊されるのは確定したでしょう。
「落ち着いて、ベラお姉さん…」
「落ち着いてられるかーっ!」
「そう言えば、アン姉さんもこの間男の人と楽しそうに話していたじゃない」
「わ、ちょ、シシー見てたの?」
「はあ?まさかあんたも誰か男がいるっての?」
アンドロメダは、そんなんじゃないと首を振るが顔が真っ赤で信憑性がない。
ベラトリックスはわなわなと震え出した。
「誰よその男?白状しないと虱潰しに尋問して行くわよ」
「ベラお姉さん…それは流石にちょっと…でも、私なんかのことでどうしてそんなに熱くなるの?」
「私はあんたの姉でアンドロメダが好きだからに決まってるでしょ?!え、なに、そんな事もわからないで今まで私の妹やってきたなんて恥ずかしいわー本当恥ずかしいわー」
ポロッとベラトリックスが零した言葉に笑みが零れるアンドロメダ。
「私もベラトリックスお姉さんが大好きです。」
「んなもん知ってるのよ!あーくそ可愛い!」
「私も二人が大好きよ」
「シシーも勿論大好きだよ」
「私なんてもっともーっと好きだもんねぇ!」
なんだかんだ言ってベラトリックスは、みんな好きでアンドロメダもみんな好きでナルシッサもみんな好き。
みんな好きでみんな好き。
今日も世界は廻ってる。
(たたた大変だよ、シシー!)(どうしたの、アン姉さん)(ベラお姉さんがセブルス君とルシウスさんを吊してるの!)(ルシウスが…?!今行くわ!)(あ、うん………セブルス君はスルーなんだね…)
20110706