堕天使

□第2話
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▼???
遠くから悲鳴やら轟音がする。また出たみたいだね。怪物が。
《ホホ、ワッチ達には別の仕事がありんすよ。》
うん。早くあれを進めないと。
《そう、ヌシはワッチの力を使いあれを完成させる。それが契約でありんす。》
ああ、そんなことわかってるよ。…アっちゃん。
指輪がキラリと光った。


第2話

兄弟と翼

▼ルーシィ

ぼくがやすはるにくっついてから早3日。
まさか、こんなに早く現れるなんて……予想以上に事態は深刻なんだね…
【ブニャアアア!!】
目の前には翼の生えた猫の異形、壊れた建物、逃げ惑う人々、怪我をして動けない人。
「じ…地獄絵図…!」 玉ねぎちゃんがつぶやく。
ま、地獄はこんなもんじゃないんだけどね。  「説得力ありすぎだよ悪魔。」
まーね。
やすはるは二回目だからか、ちょっと冷静なんだね。…足はガクガクしてるけど。
不意にあいつがこちらをむいた。
そして――――、
【ナズェダアアア!】 「こっち来た――!?」
ぼくたちめがけて攻撃してきたんだね!
ガシャーン!
「きゃーー!!」
爪の斬撃をギリギリよける。
「な、何でまた俺なんだよ!」
やすはる!アレやるよ、なんだねっ
しかし。
「やだ。」
ええ!?何いってるんだね!?このままだとみんな死んじゃうよ!
「それ悪魔のセリフかい…じゃなくて。俺、嫌だからな!」
じゃあどうするんだね?よけてても、らちがあかないよ!
「三十六計…」
サイコーの笑顔で、
「逃げるにしかず!」  ダメエエエエエエ!!
ぼくは左腕を引っ張った。それでもやすはるは逆方向に逃げようとする。
「やだやだやだー!絶対戦わないーー!!」
子供じゃないんだからわがまま言うななんだねー!!
「あんたたちすごい絵よ…。」
【グギャアアア!!】   もーしつこいなー!
いい加減、戦お・・・
「!!…ほ、ほらここで戦ったら人まきこんじゃうなあ〜。」
…絶対でまかせなんだね。でも…
周りには逃げ遅れてる人がいっぱいいる。
…一理あるんだね!
…けど、おびき寄せるにしたって足じゃ追いつかれる。どうしよう…。
ふと、横に目をやると、駐車場に黒いバイクが止まっていた。
…これなんだね!
バイクで逃げるよ! ぼくは、バイクのハンドルをつかむ。
「あ、ちょっと人のバイクーー!!」
玉ねぎちゃんのか。じゃあ問題ないんだね。  「大ありだよ!!バイク返せー!!」
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