宝物


□遥かな時間(とき)と今あるすべて
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「れーん。」

トテトテと昌浩がまだおぼつかない足取りで紅蓮のもとへと歩いていく。

紅蓮は今にも昌浩のもとに駆け出したそうな顔をしていたが、

「れーん。」

と言いながら歩み寄るその姿を見て、その衝動をなんとか押し止める。

(いかんいかん。ここで昌浩のもとへ行ってしまっては昌浩の努力が無駄になってしまう。

ここは冷静になれ、なるのだ俺。)

紅蓮が必死に欲望と格闘しているうちに昌浩は紅蓮のもとへたどり着いていた。


はっと紅蓮が目を向けると同時に、昌浩は紅蓮の腕の中に飛び込んできた。

「れーん!」

キャッキャッと嬉しそうに、楽しそうに笑っている昌浩を見て紅蓮も自然に笑みをもらす。

そして昌浩をおもいっきり抱き締めた。

「よくやったぞ昌浩。歩くのが上手になったなぁ。」

紅蓮は昌浩へのいとおしさでいっぱいになった。

そして昌浩の髪をくしゃりとなでる。

このさまはまるで母と子の図である。

紅蓮だから父と子の図かもしれないが…
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