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□[secret you...前編]
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こんな根暗のように見えるコイツが可愛いなんて頭湧いてるかもしんない男だし

街の知り合いの奴らに『もっと可愛い子雇いなよ』とか言われるが
見た目でそんな事を言ってくる奴らの声なんか無視した


新八の事なんも知らないくせに、新八の悪口を言われてるようで耐えられなかった


万事屋に帰ったら新八は相変わらずその長い前髪で顔を覆って表情がよく見えないけど
にっこり笑って俺を迎えてくれる


『新八……』


悪口聞いた後だからかな、新八を抱きしめたくなってつい抱きしめた

わたわたして何が起こったの?って感じに慌ててる新八が可愛くて笑えた


『あっあの、ぎっんさん…/////』


もうちょい抱きしめさせてくれな?
お前抱きしめてたらなんだかあの怒りがすぅって引いてくっから……







新八は万事屋に通っている。実家には道場があるらしい
それ位しか俺は新八の事を知らない。ただ純粋で優しい気持ちの持ち主だって事はわかってるけど


『新八ってさ、やっぱ家の道場を継ぐのか?』


そう聞いた事があった。だけど答えはあやふやで最後には苦笑しながら分かりませんと言った


事情なんて人間いくらでもある。知られたくない事や聞いてはいけない事


だから俺はそれ以上聞かなかった












ある日万事屋の仕事、またもや来た浮気調査に明け暮れて夜遅くなり
新八が万事屋に泊まる事になった。新八は何だかソワソワしてて落ち着かない感じでいて

そんな新八にぷっと笑って早く風呂入って来いよと言い脱衣場へと背を押した

はじめて新八がここに泊まって俺は新八には分からない程度にソワソワしてた



日に日に気持ちが募る…こんな気持ち有り得ないんだけどな一般的には

自覚したら最後、俺は新八が好きなんだと思った
見た目がどうとか根暗とかそんなの関係ないし純粋で優しい心にひかれた


『あ、お風呂…先にいただきました』


振り返ると長襦袢に身を包み相変わらず顔を髪や瓶底眼鏡で隠した新八がいた


『こっちおいで、新八』


はじめは戸惑いながらも新八はトコトコと俺の元に足を進める
そんな新八の細い腕を取り引き寄せると新八をソファに座らせた




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